2015年11月16日(月)
早い通報が子・親守る
児童虐待防止へ集会・行進
東京
「一人ひとりの気付きが子どもと親の未来を守る」をテーマに、第13回「子どもの虐待死を悼み、命をたたえる市民集会」が15日、東京都内で開かれました。主催はNPO法人児童虐待防止全国ネットワーク。児童福祉関係者や市民ら約350人が参加しました。
児童相談所での虐待相談対応は昨年度約8万9千件に上ると紹介した同ネットワークの吉田恒雄理事長は「子どもはSOSを出せない。周囲が少しでも早く気づいて通報(全国共通ダイヤル189)することで子どもや親を守れる」とあいさつしました。
昨年1年間に虐待死した60人の名前、年齢、死亡時の状況が一人ひとり紹介され、全員で黙とうしました。
ルポライターの杉山春さんが「SOSはなぜ届かなかったのか」と題して講演。3歳児の餓死(愛知、2000年)、3歳と1歳半の置き去り死(大阪、10年)の事件を取材した経験を報告。「子育て支援施策は多様化してきたが、それを使えない親たちがいる。背景には孤立の深刻化と社会への深い不信があるのではないか」と指摘し、現場の支援者が一歩踏み込むことや当事者の声を聞き取る力が大切と話しました。
集会後、子ども虐待のない社会づくりを求めて行進し、道行く人に訴えました。