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2015年11月14日(土)

原子力機構「資質なし」

「もんじゅ」運転 規制委が勧告

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 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で多数の機器の点検漏れなど保守管理上の問題が繰り返されたことについて、原子力規制委員会は13日、同機構が「もんじゅの出力運転を安全に行う主体として必要な資質を有していない」として同機構に代わる適当な主体を示すよう、所管する文部科学相に勧告しました。2012年の規制委発足以来、規制委設置法に基づく初めての勧告となります。規制委の田中俊一委員長が、馳浩文部科学相に手渡しました。

 勧告は、原子力機構に代わって「出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者」を具体的に特定すること、特定が困難な場合は「もんじゅが有する安全上のリスクを明確に減少させるよう」もんじゅの在り方を抜本的に見直すことを要求。おおむね半年をめどに報告を求めています。

 もんじゅは2012年に多数の機器の点検漏れが発覚。規制委は13年、抜本的対策を講じるまで、事実上の運転停止命令を出しましたが、その後も管理上の不備が相次ぎました。8月にも、機器の点検間隔に関わる安全重要度分類の誤りが新たに判明。文科省の研究開発局長や同機構理事長から意見聴取を行いました。

 規制委は、これまで文科省に対応を求める文書を2度出してきました。勧告では、文科省のこれまでの対応について「結果的に功を奏していないと考えられる」と指摘しています。

 もんじゅは、1995年に試験運転中にナトリウム漏れ事故を起こし、14年以上停止しました。2010年に試験運転を再開しましたが、直後に燃料交換機の落下事故を起こしています。


 もんじゅ 福井県敦賀市にある日本原子力研究開発機構の高速増殖炉。研究段階の「原型炉」で出力28万キロワット。使用した以上の燃料を生み出すとの触れ込みで政府が開発を推進。国の核燃料サイクルの柱に位置づけられています。1994年に初臨界。しかし、相次ぐ事故でほとんど動いていません。一般の原発と異なり、水や空気に触れると爆発的に反応する液体の金属ナトリウムで原子炉を冷却するため、特別に大きな危険があります。世界的にも開発から撤退しています。


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