2015年11月10日(火)
国交相 沖縄県に「是正」指示
辺野古取り消し 来週以降に提訴
石井啓一国土交通相は9日、沖縄県の翁長雄志知事が同県名護市辺野古の米軍新基地建設に必要な埋め立て承認の取り消し処分に対する取り下げ「勧告」を拒否(6日)したことを受け、同処分を13日までに取り下げるよう改めて「指示」する文書を沖縄県へ発送しました。
地方自治法に定める「是正」の「指示」は、国の地方自治体に対する介入(関与)手段の中で最も強力なもの。沖縄県の権限を奪って国自らが埋め立てを認める「代執行」に向けた事実上の“最後通牒(つうちょう)”となる手続きです。
一方、翁長知事は取り消し処分は「適法」であるとして国からの「指示」についても拒否する構えで、国交相は来週以降に福岡高等裁判所への提訴に踏み切ることになります。地方自治法は、国の提訴から15日以内の開廷を定めており、これにより12月初旬にも県と国による法廷闘争が始まる見通しになりました。
また、国交省は、6日に沖縄県から提出されていた公開質問状に対しては、「代執行に向けた手続きとはリンクせず、回答しなければいけないものでもない」(担当者)などと説明し、回答拒否も示唆しています。県側は質問状の中で、「代執行」以外の方法で「是正を図ることが困難」と定める地方自治法の手続き要件が満たされていないと指摘し、13日までに国交相へ回答を求めていました。
国交省は9日時点で質問状へ回答していません。県の疑問には一切答えないまま法廷闘争に向けた“最後通牒”だけを先に送り付け、代執行手続きを強行する姿勢をにじませた形です。
辺野古問題で国の沖縄県への代執行をめぐる動き
10月27日 安倍内閣が代執行の政府方針を決定
10月28日 国交相が沖縄県へ「勧告」文書発送
11月 6日 沖縄県の翁長知事が「勧告」拒否
国交相へ公開質問状を発送
11月 9日 国交相が沖縄県へ「指示」文書発送
11月13日 国交相「指示」の対応期限
沖縄県の公開質問状の回答期限
11月16日以降 国交相が高裁へ提訴
12月初旬にも 高裁が審理を開始