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2015年11月7日(土)

自衛官弔慰金9000万円に増額

防衛省検討 海外派兵「戦死」に備え

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 防衛省が、任務中の自衛官の死亡・傷害時に国が支給する弔慰金(賞じゅつ金)の最高額を9000万円まで引き上げるとともに、授与対象となる任務を大幅に拡大することを検討していることが分かりました。海外派兵の拡大による「戦死リスク」の増加に備えるもの。自衛官に対する賞じゅつ金の最高額は現在、原則6000万円。イラク派兵やアフリカ・ソマリア沖での海賊対処などの海外派兵にあわせ、増額措置がその都度とられてきました。

 本紙が情報公開請求で入手した現「防衛計画の大綱」策定時の内部文書(2013年5月、人事教育局作成)によると、防衛出動(戦争法施行で集団的自衛権行使含む)や兵たん支援、PKO(国連平和維持活動)などの任務に対して、最高額を一律9000万円に引き上げることが検討されています。

 現「防衛大綱」は、9月に強行成立させた戦争法による集団的自衛権容認をはじめとする海外派兵拡大を前提に、13年末に決定。安倍政権内で「戦死リスク」の増大に備える検討が早くから進められていた実態が浮き彫りになりました。

 戦争法の国会審議の中で自民党の国防族議員は、自衛隊の活動範囲や任務が広がるとして、「リスクを負う自衛隊に名誉と処遇を与えるのは政治の責任だ」と主張。安倍晋三首相は「不断に検討していく考えだ」(7月28日)と応じていましたが、最高額や要件拡大には言及していませんでした。

 陸上自衛隊イラク派兵の教訓をまとめた文書「復興支援活動行動史」は、イラク派兵時に特例で賞じゅつ金が引き上げられたことを踏まえ、「増加の要求の継続」を提言していました。

 今回入手した内部文書によると、賞じゅつ金の充実は「後顧の憂いなく任務に邁進できるよう」に制服組が要望しています。


 賞じゅつ金 警察官・消防士・自衛官などが公務で殉職または負傷した場合に、本人や遺族に支給される金銭。地方自治体からも支給される消防士などのほうが自衛官より最高額が高いとの指摘もあります。


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