2015年11月6日(金)
大阪ダブル選挙
「オール大阪」の共同で橋下「維新」に終止符を
大阪府知事選が5日告示され、22日投票の大阪府知事・市長ダブル選の火ぶたが切られました。8日には大阪市長選が告示されます。
今回の選挙の最大の焦点は、橋下「維新」政治に終止符を打ち、新しい大阪の政治を切り開くことにあります。
2008年2月から8年間も続いた橋下・松井「維新」府政、4年間の橋下市政で、大阪の現実はどうなったのでしょうか。
生活を切り捨て
府政では府民の命や暮らしの予算が1551億円も削られ、雇用者報酬、家計消費支出などの経済指標が全国以上に落ち込む一方、大阪府の借金は増加しました。橋下氏が乗り換えた市政でも市民施策が次々と切り捨てられ、教育への政治介入や自分好みの民間人幹部の登用、「何でも民営化」の押し付けなどで市民生活に多大な犠牲と混乱がもたらされました。
橋下氏は知事時代、「日本の政治のなかで一番重要なのは独裁」と叫び、大阪市を廃止するために市長に就任。市職員には「市長の顔色をうかがう」ことを強要しました。職員「思想調査」が地裁で違憲と断罪されてもいまだ税金で裁判を続けるという行政の私物化ぶりです。内外に敵をつくっては攻撃し、意見の違う人を排除する強権政治は、橋下氏自身が「市議会をつぶ(し)」「大阪市の権限、財源をむしり取る」というねらいを語ってきた「都」構想(大阪市廃止・解体)で頂点に達しました。
こうした「異質の危険」を持つ橋下「維新」政治に立ち向かう中で大阪では立場を超えた反「維新」の共同が広がり府内の市長選や大阪市の自治を守るたたかいで「維新」を打ち破る大きな力を発揮してきました。今回の選挙戦の対決構図も、まさに「維新」対反「維新」の「オール大阪」の共同のたたかいになっています。
日本共産党、「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」は、反「維新」の立場から無所属で出馬する自民党推薦の、くりはら貴子府知事候補と柳本あきら市長候補を支援。民主党や連合大阪、政治団体「府民のちから2015」や「民意の声」、青年グループに結集する人々など多くの個人・団体が両氏を応援しています。
共同を恐れる「維新」陣営は「対立候補は自主支援を断りもしていない」「しがらみで決断できなくなる」「自共の連合政治だ」などと攻撃しています。
これに対し、くりはら氏は「私たちにとっての一番の大義は維新の政治をストップさせることだ」と反論。柳本氏は「今回のたたかいはオール大阪で大阪の民主主義を勝ち取るたたかいだ。熟議を重ね、できるだけ多くの賛同をいただくような取り組みをしてこそ本当の民主主義。熟議型民主主義ある大阪を取り戻そう」と訴えています。
声を聞く政治に
未来に向けた政策として、柳本氏が子ども医療費助成の拡大やリフォーム条例、公契約条例などを提案。くりはら氏が「維新」のカジノ誘致などを「荒唐無稽ともいえる施策」と批判し、「大阪の経済活力を高めるためには、中小企業支援こそが最も重要」と打ち出すなど、府民の願いとの共通点が広がっています。
いまこそ橋下「維新」政治を終わらせて、府民の声と民主的な議論で政治を前に進める「まっとうな大阪」をつくるときです。
(藤原直)