2015年11月5日(木)
もんじゅ運営交代 勧告へ
規制委「原子力機構 適当でない」
原子力規制委員会は4日、事実上の運転停止命令を出されている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で保守管理上の問題が繰り返されることに関して、同機構に代わる適当な運営主体を明示するよう求める勧告を馳(はせ)浩文部科学相に出すことを決めました。規制委発足以来、規制委設置法に基づく初の勧告となります。来週の会合で文案を検討する予定です。
田中俊一委員長は「もんじゅの運転を原子力機構に任せるのは適当でない」と指摘。文科相に対し、原子力機構に代わってどのような者が適当か、「具体的に特定して明示すること」や、さらに、明示できない場合は、もんじゅのあり方を抜本的に見直すことを要求。半年をめどに回答を求めることにしました。
もんじゅは2012年に多量の機器の点検漏れが発覚。規制委は13年、抜本的対策を講じるまで、もんじゅの運転へ向けた活動を停止する命令を出しました。その後も管理上の不備が相次いだため、規制委は、文科省に対応を求める文書を2度出してきました。
しかし8月には、機器の点検間隔に関わる安全重要度分類の誤りが新たに判明。規制委は、同機構にこの問題での報告を命じるとともに、文科省の研究開発局長や同機構理事長から意見聴取を行いましたが、状況が改善される保証がないとして、今回の決定となりました。