2015年11月3日(火)
「もんじゅ」
「安全文化できていない」
規制委 機構に厳しい指摘
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、多数の点検漏れなど管理上の不備が繰り返されている問題で、原子力規制委員会は2日、運転管理する日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長から意見聴取しました。児玉理事長は「地道に改善活動をしていく」としましたが、田中俊一委員長は「とてもじゃないが根本のところ、安全文化が全然できていない」と厳しく指摘しました。規制委は4日の定例会合で、原子力機構に対する対応を議論します。
規制委は、8月に報告されたもんじゅの安全重要度分類での誤りの件数など全体像が、定期保安検査中に確認できなかったため、経緯などについて同機構から報告を受けた後に、理事長から考えを聞く方針を決めていました。原子力機構は10月21日に、1387機器で安全重要度分類が誤っていたとする報告書を規制委に提出しています。
三菱重工業出身の児玉理事長は「これまでの対策が非常に甘いということだ」と説明。委員からは「(機構の水準は)平均値以下」「以前と内容は変わらない。理事長が民間出身なら変わるのか」「手詰まりですと言っているようにしか聞こえない」と厳しい意見が続出しました。
田中委員長は「もんじゅを動かす資質を持っているのか、判断できない」と述べ、「機構だけで解決できる問題ではない。われわれなりの判断をしたい」と締めくくりました。
規制委は10月21日に、原子力機構を所管する文部科学省からも対応について説明を聴取。それを受けた定例会合で田中委員長は、「このまま運転できる状況ではないと言わざるを得ない」と発言しています。