2015年10月25日(日)
沖縄新基地の埋め立て承認取り消しへの防衛局の不服審査請求
行政法研究者93氏「不公正」「不適法」
行政法研究者有志が23日、沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを不服として、沖縄防衛局が行政不服審査法を乱用して審査請求・執行停止申し立てを行ったことは「不適法」であり、「却下」すべきとの声明を発表しました。
辺野古新基地問題の行政手続きに関する研究者による声明は初めて。23日時点で呼びかけ人を含む93人が賛同しており、今後、さらに広がる見通しです。
声明は、防衛局は「固有の資格」で基地建設という国家の行為を行っており、この場合、私人の救済を想定した行政不服審査法で審査請求をすることを予定しておらず、請求自体が「不適法」だと指摘しています。
さらに、国の機関である沖縄防衛局が「一般私人」と同様の立場で審査請求・執行停止申立人になり、国交相が審査庁として執行停止を行おうとしていることは、「国民の権利救済制度である行政不服審査制度を乱用するものであって、じつに不公正であり、法治国家にもと)るもの」だと批判。国交相に対して、沖縄防衛局による執行停止の申し立て・審査請求をただちに却下するよう求めています。
呼びかけ人の本多滝夫・龍谷大法科大学院教授の話 翁長県政が3月に辺野古の岩礁破砕許可停止を指示したのに対し、政府が行政不服審査法を乱用して効力を停止しました。これを契機に、私たちの間で危機感が広がりました。政府は今回の埋め立て承認取り消しに対しても、同様の手段で執行停止命令を出すことが予想されるので、専門家が声を上げて、世論形成をしたいと考えました。このような手法は、従来の国の考えを百八十度変えるものであり、決して許されません。