2015年10月25日(日)
16年度の国立大入学定員 教員養成系983人・文系129人減
文科省の理系偏重明瞭
文科省が求める「組織の見直し」により、国立大学の学部・大学院の2016年度入学定員は、前年度比で教員養成系が983人減、文系が129人減となる一方、理系が527人増で、総計が224人減になることが文部科学省の資料から分かりました。定員総数の削減とともに、文系から理系へのシフトが明瞭となりました。(表参照)
人文科学系、社会科学系の学部・大学院の合計で1189人減、理学、工学、農水の合計で120人減となる一方、「その他」が2129人増となっています。「その他」とは、人文社会学部や理工学部のほか、人文、社会、工などの学部・研究科を新領域・分野融合型に改組したものです。文科省の説明によるとその内訳は文系が1060人、理系が647人となっています。
新領域・分野融合型への改組が広がっているのは、「高い付加価値を生み出す国立大学への転換」を誘導する文科省の重点支援によるものです。
学部定員は全体で306人削減。とくに地方大学の文系学部の削減がめだちます。弘前大学では、人文学部の改組で文系が80人減、全体でも60人の削減です。愛媛大学では、法文学部の改組で文系定員が70人減、全体でも20人の削減です。
教員養成系学部の定員削減は、15大学が教員養成を目的としないいわゆる「ゼロ免課程」を廃止・募集停止することによるものです。
|
- 国立大学文系の再編・縮小 安倍政権の不当な介入(上)/「ミッション再定義」で押し付け
- 国立大学文系の再編・縮小 安倍政権の不当な介入(下)/交付金テコに組織再編競争