2015年10月24日(土)
安倍政権中枢の政党助成金(2014年)
1億円超ためこむ
「基金」で国庫返納逃れ
第3次安倍改造内閣の閣僚と副大臣、政務官、自民党執行部(副総裁、幹事長など)ら政権中枢が2014年に受け取った政党助成金を使い残し、1億500万円以上を「基金」としてためこんでいたことが本紙の調べでわかりました。 (藤沢忠明)
閣僚、副大臣、政務官ら(公明党所属議員を除く)が支部長を務める政党支部の14年分の政党交付金使途等報告書を調べたもの。
1000万円超3人
これによると、安倍晋三首相(衆院山口4区)の1445万5238円を筆頭に、初入閣した高木毅復興相(衆院福井2区)が1094万4852円、菅義偉官房長官(衆院神奈川2区)1041万6872円など、1000万円以上ためこんだのは3人。(表参照)
高木氏は、1900万円の政党助成金を党本部から受け取り、エアコン代34万6320円、国政報告会バス代22万500円、シンボルカラー布代35万1540円などを支出。14年12月の総選挙の公示翌日の3日、本人あてに「選挙関係費」として500万円を支出しています。
環境相として初入閣した丸川珠代氏(参院東京)は、1200万円の政党助成金を党本部から受け取り、人件費398万2509円、ガソリン代84万7327円、地下鉄定期代5万6170円など、約1000万円を支出。13年より約200万円、基金額をふやし、ためこみは313万1535円でした。
自民党総裁補佐から官房副長官になった萩生田光一氏(衆院東京24区)は、公示翌々日の4日に500万円を本人あてに「選挙関係費」として支出。13年の基金残高約225万円を倍増させ、514万8956円をためこんでいます。
副大臣では、斎藤健農林水産副大臣(衆院千葉7区)のため込み額が、264万687円で最高。政務官では、山田美樹外務政務官(衆院東京1区)の881万4570円が最高でした。
閣僚と副大臣、政務官、自民党執行部など政権中枢のためこみ額は、1億525万3945円にのぼりました。
「基金」として積み立て、翌年以降に繰り越すことで、国庫に返納せずに蓄財しているのです。
「人件費」名目
一方、森山裕農林水産相(衆院鹿児島5区)は、党本部から受け取った1900万円を、「人件費」900万円、総選挙公示直前の11月28日に本人あてに「選挙関係費」として1000万円を支出、使い切っています。
盛山正仁法務副大臣(衆院比例近畿)も党本部から受け取った1900万円を、「人件費」945万6488円、事務所費108万円に支出、残額846万3512円を総選挙公示直前の11月26日に本人あてに「選挙関係費」として支出、ためこみ額はゼロとなっています。
「人件費」は領収書がいらず、本人あての支出は、その後、何に使ったかは問われず、不透明さが指摘されています。
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