2015年10月24日(土)
きょうの潮流
「沖縄2紙攻撃先鋭化」と1面トップに大見出しを掲げ、「『偏向』批判の正体」と題した連載を開始した沖縄タイムス。「自民報道圧力問題」の大特集を組んだ琉球新報には「民主主義の根幹守る」と、全幅の見出しが躍ります▼日本ジャーナリスト会議(JCJ)が主催する全国交流集会の取材で沖縄県を訪ねた16日。同日付の地元紙に目を通すと、この地の“熱さ”が伝わってきました▼名護市辺野古の米軍新基地建設問題などで、県民の立場から論陣を張る両紙への攻撃が強まっています。「沖縄の2紙をつぶせ」と会合で気勢をあげた、安倍首相に近い自民党議員たち。島尻安伊子沖縄担当相も「地元(沖縄県)のメディアは偏っていた」と発言したと報じられています▼しかし一方で、沖縄メディアへの激励・支援は全国に広がっています。沖縄タイムス社が、この問題で連打した記事をまとめた『報道圧力 沖縄の声を届ける』では、自民党議員OBや「保守派」を標榜(ひょうぼう)する人を含めた広範な学者・文化人らがエールを送っています▼最新の世論調査(沖縄タイムス20日付)によると、翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しを「支持する」と答えた県民が79%と圧倒的。憲法も県民の声も踏みにじった、安倍政権の大義のなさが浮き彫りです▼JCJとの懇談で、両紙記者は口をそろえていいました。「圧倒的な県民世論が新基地建設に反対している。その立場にたって書き続ける」。その心意気に連帯して、私たちもいっそうがんばりたい。