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2015年10月19日(月)

「国民連合政府」提案から1カ月 記者座談会

「本気」流れに 与党に圧力

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 国民多数の反対世論を踏みにじって政府・与党が強行した戦争法成立から19日で1カ月。このもとで、日本共産党の志位和夫委員長が発表した「戦争法廃止の国民連合政府」の「提案」が反響を呼び起こしています。担当記者で話し合いました。


写真

(写真)(上)外国特派員協会で「提案」について講演する志位和夫委員長=15日、(中)諸団体と野党5党の意見 交換会=16日、(下)「提案」で懇談する山下芳生書記局長(左)と憲法学者の小林節氏=9月22日

  「提案」の発表は、戦争法が強行成立した9月19日。間髪入れず、戦争法廃止、安倍政権が破壊した立憲主義を回復させる「国民連合政府」を提唱し、この政府樹立の野党選挙協力を打ち出したことは、廃案を求めてたたかってきた人たちから大歓迎されている。「僕はこの提案を実現するために人生の全てをかける」「提案を聞いて震えた」という声を取材のあちこちで聞いたよ。

  安倍政権は「1億総活躍社会」とか内閣改造で目先を変える“戦争法忘却作戦”に躍起だ。しかし国民は忘れるどころか全国各地で、「戦争法廃止まで行動しよう」「自公政権を終わらせよう」と街頭宣伝、署名活動、デモ行進などが広がっている。

衝撃

  それだけに「提案」は政府・与党に衝撃を与えている。自民党の谷垣禎一幹事長は「十分注意をし、警戒をしなければならない」(9月24日の記者会見)と危機感を示した。

  あるメディア関係者は「提案」の内容について「固いイメージのある共産党がよくぞここまで踏み切った。まさに清水の舞台から飛び降りる大転換だ。そこに本気度が見える」と受けとめている。菅義偉官房長官は「選挙目当て」(16日の記者会見)などと批判したが、こんなことしかいえないのはまさに「政府の知的貧困の深刻さ」(志位氏)を示しているね。

  危機感を示すのも、「提案」の方向が安倍政権に代わる政治の大きな流れになりつつあるからだ。世論調査では「期待する」37%(JNN、5日発表)、「選挙協力をすべきだ」38%(「毎日」9日付)との結果もでている。ある自民党関係者は「この野党連合が実現したら、来夏の参院選選挙区の1人区、2人区などで相当な圧力になる」と警戒している。

  政府・与党は臨時国会を開こうとしない。開けば戦争法廃止法案が提出され、再び国会周辺や全国でデモが起こることを恐れているからだ。

結ぶ

  戦争法に反対してきた諸団体と共産、民主、維新、社民、生活の野党5党が16日に意見交換会を開いた。冒頭、民主党の枝野幸男幹事長が「それぞれの団体、政党に意見や立場の違いはあるが、立憲主義、民主主義、法治主義を破壊させないことでは、間違いなく一致できる」とあいさつしたのが印象的だ。この野党5党が安倍内閣不信任案の提出を決めた9月18日の党首会談では「今後どういう事態になろうとも、憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を守るために協力しよう」と確認した。この立場が戦争法成立後も発揮されているからだ。

  意見交換会では野党側に対し「野党共闘を強め、選挙で安倍政権・自公連合を倒すための協力を」という声が相次いだ。「共産党の提案を受け止めて」という率直な声も出された。市民運動の側は、まさに「本気」で廃止・撤回へのたたかいを国会内外と結んで進めようとしている。

共産党への見方 一変

  志位委員長が発表した「戦争法廃止の国民連合政府」提案を通じて、共産党の見方をいろいろ聞いたよ。

勢い

 ある自民党議員は「連合政権というアプローチの仕方はさすがだ。民主党や維新と違って世論に流されず、共産党は自らの主張を我慢強く訴えてきた。そして今回の『提案』だ。志位さんの勢いはすごいと、多くの政治家が見ているはずだ。連合政権構想は、目先のことだけでなく、先の先まで考えて、提案しているのだろう」と語っていた。

  政府関係者の中からは「昨年の沖縄県知事選、衆院選、今年5月の『大阪都』構想のたたかい、8月の岩手県知事選、そして今度の『国民連合政府』提案。共産党の一連の一点共闘は本当に見事だ」という声が聞かれている。

  共同や統一戦線という発想に慣れていない人からは驚きに見えるが、ここにこそ共産党の共同論の真骨頂があるね。

  15日に日本外国特派員協会で「提案」について講演した志位委員長は、12回も「本気」という言葉を口にした。戦争法廃止、違憲の「閣議決定」の撤回を本気で実行しようと思えば、「この道しかない」という確信と覚悟を示している。

会談

  「鬼気迫る本気度」と評した報道もあった。「提案」発表後、志位氏は民主党の岡田克也代表、社民党の吉田忠智党首、生活の党の小沢一郎代表と会談してきた。

  会談に臨席したある政党関係者は、志位氏が諸点を説明する姿に、「これはただのパフォーマンスではなく、選挙協力も、政府の樹立も本気でやるつもりだということが伝わってきた」と実感を込めて話していたよ。

  維新の党のある国会議員は「共産党の提案に、初めは驚いたが、今は(「提案」に)反対の人はほとんどいないのではないか。立憲主義を壊されたままでいいはずがない」と語る。一方で「共産党との協力となると、議員も支持者も理解するのに時間が必要だ」といっていた。

  民主党の元衆院議員の一人は自身のブログで、「民主党内からの異論や支持者からの『共産党とは組まないで』との声も聞こえてきますが、自民党より長い歴史を誇る共産党の決断を、私は率直に評価したい」と述べ、こう続ける。

 「野党がバラバラで巨大与党に対峙(たいじ)するのは、権力を握る側の思う壺(つぼ)。岡田克也代表の『連立政権となるとかなりハードルが高いように思うが、志位委員長は信頼できる方。誠意をもって建設的な協議を続けていきたい』との発言に尽きる」


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