2015年10月18日(日)
核兵器廃絶・禁止条約交渉求める
国連総会に新決議案
【ワシントン=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で開かれている国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障問題)へ、核兵器の非人道性を告発し、全面廃絶や禁止条約の交渉開始を求める新たな決議案が相次いで提出されます。メキシコや南アフリカなど6カ国でつくる新アジェンダ連合の国々、オーストリアなどが提案するもの。採択されれば、参加国が広がってきた「核兵器の非人道性」を非難する共同声明の趣旨が国連総会の意思として確認されます。
メキシコ、アイルランドなど11カ国は「核兵器の人道的結果」決議案を提出。2012年以来繰り返し発表されている、核兵器の非人道性を告発し、全面廃絶を求める共同声明に基づくものです。今年の6回目の共同声明には過去最高の159カ国が賛同しました。
オーストリアなど4カ国は決議案「核兵器の禁止と廃絶のための人道の誓い」を提案。同国が昨年提案した核兵器禁止の法的措置を求める「人道の誓い」に基づいた決議案です。「誓い」にはこれまで119カ国が賛同。核不拡散条約(NPT)の義務に沿って、核兵器を禁止する効果的措置の交渉を行うようすべての国に呼び掛けています。
南アフリカは決議案「核兵器のない世界への道徳的な責務」を提示。「すべての国は核兵器を禁止、廃絶する法的拘束力のある効果的措置をとるため、緊急に行動する道徳的な責任を共有している」と指摘しています。
国連総会第1委員会は、19日からテーマ別討論に入ります。