2015年10月16日(金)
オスプレイ訓練 全土で
CV22 三沢・東富士・沖縄で実弾使用
米空軍が報告書
防衛省は15日、米空軍の特殊作戦機CV22オスプレイの横田基地(東京都)への配備にあたって、米空軍が作成した「環境レビュー(審査報告書)」を公表しました。すでに関係自治体への説明を開始しています。
レビューによれば、訓練で実弾(7・62ミリ弾、50ミリ口径弾)や、チャフ・フレア(別項)を使用します。これらを使用した訓練場として陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)、米空軍三沢対地射爆場(青森県)などを挙げました。沖縄の射爆場やグアム、韓国も挙げています。
また、実弾を使用しない「ホテル区域」(群馬県などの上空)を含め、これら訓練区域での「活動レベルが上がる」としています。
東富士では、実弾演習により「不快感の増加」があるとしています。沖縄の訓練場所は具体的に記していません。地元の反発を避けるためとみられます。
さらに、レビューは首都圏の1都8県にまたがる「横田ラプコン(進入管制区)」などを記し、関東一円で飛行訓練を行う可能性を示しています。すでに沖縄に配備されているMV22と合わせ、日本全土がオスプレイの訓練場になることが鮮明になりました。
CV22は米空軍の中でも高い事故率を記録していますが、レビューは「運用上練度が向上するにつれ、事故率は…同規模のヘリと同等になる」と述べ、現状では高いことを認めています。その上で、「航空機が人口密集地へ墜落する可能性は極めて低いが、全く考慮しないわけにはいかない」と述べ、首都圏上空での墜落事故の可能性を認めました。
同レビューは今年2月24日付で、米空軍特殊作戦コマンド(司令部)が作成しました。日米両政府は2021年までにCV22を10機、横田に配備する計画を公表しています。
チャフ・フレア いずれも、離着陸時にまき散らして敵のレーダーやセンサーをかく乱し、ミサイル攻撃を防ぐためのデコイ(おとり)。チャフは金属片、フレアは金属粉末をベースにした燃焼体で、高熱を発する。
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