2015年10月15日(木)
診療報酬改悪で病床減
厚労省調査 患者追い出し進む
病院で看護師配置が最も手厚い「7対1」病床(患者7人に看護師1人)が1年間で1万6500床も減り、“患者追い出し”が進んでいることが14日、厚生労働省の調査で明らかになりました。同日開かれた中央社会保険医療協議会で報告されました。
14年度の診療報酬改悪によって入院対象を「重症」患者に絞り、入院日数を規制強化したことが影響しています。
「7対1」病床は、14年3月に38万床ありましたが、同年10月までに1万4200床減少、15年4月までに2千300床減少。看護体制の薄い「10対1」病床や地域包括ケア病床(13対1)などに転換されています。
診療報酬改悪と併せて行われた短期滞在手術基本料の見直しで平均入院日数は1日減少。「7対1」病床を含めた一般病床全体でも1日減少しており、“患者追い出し”が進んでいることが浮き彫りとなりました。
一方、「7対1」病床がある理由について7割超の医療機関が「7対1相当の看護配置が必要な入院患者が多い」、5割超が「他病棟へ転換すると、地域のニーズが応えられなくなる懸念がある」と回答。地域医療を支えている同病床の必要性を示しています。
「7対1」病床について安倍政権は、医療費削減のため高齢化のピークとされる25年までに半減させる計画です。中医協で厚労省は、入院5日目までの手術・検査に算定する「短期滞在手術基本料」を拡充するなど「7対1」病床を含めた「急性期病床」をさらに削減していく方針を提起。来年度からの診療報酬改定に盛り込み、“患者追い出し”をすすめていく考えを示しました。