2015年10月4日(日)
さっそく官邸から「橋下新党」にエール
国政政党「おおさか維新の会」の結成を表明した橋下徹大阪市長(「大阪維新の会」代表)は、よほど野党共闘が嫌いなようです。その一方で、安倍政権との連携志向が強く、さっそく首相官邸からは「橋下新党」にエールが送られています。
○…「維新の党が偽物の維新の党になってしまったので、本物の維新の党をつくる必要がある」。1日の記者会見で橋下氏は、まくしたてました。安保関連法案(戦争法案)反対で、維新の党が民主党や共産党などと共闘したことが、気に入らないようです。松井一郎大阪府知事(「大阪維新の会」幹事長)も「いつの間にか安保法制をみても、完全に『なんでも反対』になっている」と不満をぶつけます。憲法違反の戦争法案に反対することが「偽物」なら、彼らの言う「本物」とは何なのか。
矛先は、住民投票で否定された大阪市を廃止・解体する「大阪都」構想への対応にも及びます。「維新の党是としていた都構想。それに猛反対してきた民主党や、場合によっては共産党と話していこうというのは信じられない」と橋下氏。
○…一方、安倍政権との連携について松井氏は「是々非々の距離感」といい、「日経」1日付インタビューでは「安倍政権とは価値観が合う」「憲法改正を進めるのは協力できる」とあけすけです。さっそく、菅義偉官房長官は「改革姿勢のなかで政党が結成されればいいなとは思う」(1日)、「憲法に対する考え方を明快にすることは大事だ」(2日)と憲法「改正」や「大阪都」構想への再挑戦を掲げる「橋下新党」に秋波を送りました。新党の官邸との距離感は近く、民意とは遠いようです。(辺)