「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年10月4日(日)

主張

日歯連の迂回献金

違法許さぬには全面禁止こそ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 歯科医でつくる政治団体、日本歯科医師連盟(日歯連)による違法な献金が、改めて批判を集めています。政治資金規正法で定められた政治団体間の献金の上限に違反した疑いで、日歯連の前会長らが逮捕されました。違法・脱法な献金は常態化していた疑いもあります。もともと政治団体間の献金の上限は、11年前に発覚した日歯連の違法献金事件を機に改められたものです。自らの金権体質を反省せず、違法献金を繰り返す疑惑の根を断つには、企業・団体献金を全面禁止することがいよいよ求められています。

11年前のヤミ献金事件で

 日歯連の、前会長、元会長、会計責任者が逮捕された疑惑は、日歯連が2013年の参院選挙で組織内候補として擁立した自民党の石井みどり参院議員のために、前々回の参院選で同じく組織内候補だった民主党の西村まさみ参院議員の後援会に5000万円を寄付し、西村後援会に同じ日付で同額を石井後援会に寄付させたというものです。日歯連は、石井後援会に別に4500万円を寄付しており、西村後援会を通じた献金は、政治団体間の寄付の上限を5000万円と定めた政治資金規正法の規制を免れるための迂回(うかい)献金の疑惑がもたれています。

 日歯連は前々回10年の参院選挙の際にも、西村まさみ参院議員のために西村後援会に5000万円寄付したほか、政党支部へは献金できることを悪用して西村氏が代表の民主党総支部に5000万円を寄付、総支部から後援会に寄付させた疑いもあります。

 日歯連をめぐっては04年に、当時の会長が01年に橋本龍太郎元首相に1億円の小切手を渡したのに、日歯連や旧橋本派の政治団体・平成研究会の政治資金収支報告書に記載がなく、ヤミ献金の疑いで会長や平成研究会会長代理の村岡兼造元官房長官らが起訴され、有罪が確定しています。この事件を機に政治資金規正法が改正され、政治団体間の献金の上限が5000万円に引き下げられました。にもかかわらずその後も金権体質を改めず、その規制を免れるために迂回献金などを繰り返してきたのは悪質さにもほどがあります。

 日歯連は、自ら引き起こした事件を契機に献金の上限が改められた直後07年の参院選でも、日歯連として石井後援会に5000万円寄付したほか、各都道府県の歯科医師連盟に120万円ずつ渡して、それぞれ100万円、合計4700万円を寄付させたことが明らかになりました。文字通り手をかえ、品をかえて規制を踏みにじっています。違法・脱法行為は常態化していたのであり、過去にさかのぼって解明し、受け取った政治家を含め責任を明確にすべきです。

企業献金は腐敗の温床

 日歯連が違法・脱法な献金を繰り返してきたのは、党派を問わず推薦する組織内候補を何としても送り込み、診療報酬改定などで自らの要求を実現するためです。営利や特定の利益が目的の献金は、腐敗政治の温床です。献金を受け取った政治家がそれに手を貸せば、献金を出した側も受け取った側も贈収賄罪に問われます。

 日本共産党は企業・団体献金の全面禁止法案を国会に提出し、継続審議にさせています。いっさいの抜け穴を許さないため、いまこそ全面禁止を実現すべきです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって