2015年9月30日(水)
兵庫・西宮市の退去強要に抗議
阪神・淡路大震災借り上げ復興住宅 入居者らが集会
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阪神・淡路大震災の被災者が入居する借り上げ復興住宅から追い出しを強要する兵庫県西宮市にたいし29日、同市役所前で入居者と支援者らが抗議集会を開き、80人が参加しました。
西宮市は、借り上げ復興住宅「シティハイツ西宮北口」の入居者に、職員が複数で訪問するなど転居を強要し、どうしても転居できない11世帯にたいし、市とUR(都市再生機構)との契約期限を迎える9月末退去と損害賠償を求める法的手続きを取るとした通知書を送付(8日付)しました。
ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会の安田秋成代表や、西宮UR借り上げ市営住宅連絡会の松田康雄代表らが、コミュニティーを破壊し仮設住宅や復興住宅で「孤独死」を生んだ震災の教訓を強調し、全員退去の方針を変えず追い出しを強要する西宮市に強く抗議。退去通告の撤回と希望者全員の継続入居を求めて最後までたたかう決意を表明し、支援を訴えました。
借上復興住宅弁護団の吉田維一弁護士は、市住宅部が24日にだした市の対応方針の文書にたいする弁護団の見解と要求書の内容を報告しました。入居者には今の住宅に住み続ける「終身居住権」がある法的根拠を示すとともに、高齢者の転居が健康と命にかかわる人権問題であり、市の退去政策の誤りを強調し、URと「戸別借り」の協議をおこなうなど解決の道筋を示し、参加者を激励しました。
入居者の女性(77)は「私たちは市と20年の契約はしていません。入居許可証には(期限は)書かれていません。私たちはなにも悪いことはしていません。裁判は負けることはないと思っています。堂々と受けて立ちます」と話していました。
集会に先立ち、参加者は市役所前で宣伝し、集会後、決議と弁護団の要求書を市に提出しました。松田氏は、借り上げ住宅の空き家を放置し家賃を払い続けていることなどの問題で住民監査請求を提出しました。