「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年9月27日(日)

戦争法廃止の国民連合政府“オールジャパン”で世直しを

東京・新宿 志位委員長の訴え

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 東京・新宿駅西口で25日に行われた日本共産党街頭演説での志位和夫委員長の訴えを紹介します。


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=25日、東京・新宿駅西口

 みなさん、こんばんは(「こんばんは」の声)。雨のなか、たくさんのみなさんが足を止め、聞いてくださいまして、まことにありがとうございます。日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 今日は、この場をお借りしまして、安倍政権が「平和安全法制」の名で強行した戦争法の問題について、これからどうしていったらいいのか、日本共産党の「提案」についてお話をさせていただきたいと思います。

 今日、私は、この「提案」をめぐって、民主党の岡田代表とも最初の意見交換をやってまいりました(拍手)。そのご報告もかねて訴えをさせていただきます。

新しい国民運動の発展、野党共闘の前進――今後に生きる希望が見えてきた

 まず私は、19日の未明、安倍自公政権が安保法=戦争法の採決を強行した、多くの国民のみなさんが反対し、あれだけ憲法違反であることがはっきりしている悪法を「数の暴力」で強行した、このことに強い抗議を表明したいと思います。(「そうだ」の声、拍手)

 戦争法が強行された後も、各社の世論調査がおこなわれておりますが、どの世論調査でも、「政府の説明不足」という声は7割から8割ではありませんか。どの世論調査でも、過半数の国民のみなさんが憲法違反と言っているではありませんか。国民多数がこれだけ強く反対している法案、憲法違反の法案を通す権利は、民主主義の国では誰にもないことを、私は言いたいと思います。(「そうだ」の声、大きな拍手)

 同時にみなさん、私は、5月に(衆院安保法制)特別委員会の論戦に立ってから、ずっとこの戦争法案とたたかってまいりましたが、たたかいを通じて大きな希望も見いだしています。その最大のものは、「戦争法案反対」「憲法守れ」と、国会周辺で、全国津々浦々で、これまでにないたくさんの人たちが声を上げ、立ち上がっていることであります。

 1960年の安保闘争のときには、労働組合の動員が中心だったと聞いておりますが、今の国民のみなさんの運動というのは、国民のみなさん一人ひとりが、主権者として自分の頭で考え、自分の意思で「今声を上げなければ」と立ち上がっている。これは、戦後かつてない新しい国民運動といえるのではないでしょうか(拍手)。とりわけ若いみなさんが素晴らしい役割を発揮しているのはうれしいことです。私は、ここに、日本の未来にとっての大きな希望があると考えます。この開始された国民の歩みは、誰にも止めることはできません。必ず大きな流れに発展し、日本の政治を変える力となって働くことは間違いないと、私は確信を持っております。(「そうだ」の声、拍手)

 いま一つ、希望が見えてきました。こうした国民のみなさんの声、国民のみなさんの運動に応えて、野党共闘が発展してきました。この国会で、(戦争法案が審議入りして以降)衆議院段階で2回、参議院段階で4回、合計6回の野党党首会談をやりまして、「強引な採決に反対する」「法案の成立を阻止する」などで結束し、最後は、内閣不信任案や問責決議案を共同提出しました。18日の野党党首会談では、「どういう事態になっても、今後とも憲法の立憲主義・平和主義・民主主義を守るために協力して行動する」ということを確認したということを、ご報告したいと思います。(拍手)

 戦後かつてない新しい国民運動の発展、それに背中を押していただいての私たち野党の共闘、その二つは大きな財産となって、今後に生きてくると思います。

平和を脅かし、立憲主義を壊す――戦争法廃止の新たな運動をおこそう

 それでは今後どうしていったらいいのか。

 日本共産党は、この悪法が強行された直後、19日の午後に第4回中央委員会総会という会議を開きまして、今後の方向について、国民のみなさんへの「提案」を確認しました。「提案」では、三つの呼びかけをしております。

 第一は、戦争法廃止、安倍政権打倒のたたかいをさらに発展させようということであります。(「そうだ」の声、拍手)

 この戦争法ばかりは、「数の暴力」で成立させられたからといって、そのままにしておくことはできません。放っておくことはできません。

 なぜならば、この法律は憲法9条を破壊する最悪の違憲立法です。自衛隊が海外での武力行使に乗り出す、そのための仕掛けがたくさん盛り込まれています。

 武力行使をしている米軍に自衛隊が「戦闘地域」にまで行って輸送・補給などの兵站(へいたん)をおこなう。なお紛争・戦乱が続いているアフガニスタンや南スーダンなどに自衛隊を派兵して治安活動やこれまでできなかったさまざまな活動をさせる。地球のどこであれ米軍の艦船等を防護するために自衛隊が武器を使用する。そして、日本がどこからも攻撃されていないのに、日本の側から武力の行使をする集団的自衛権の行使。どれもこれもが、憲法9条を踏み破って、「海外で戦争する国」に乗り出す。その仕掛けがぎっしり詰まっている法律です。

 政府は、さっそく南スーダンのPKO(国連平和維持活動)の任務を拡大させようとしております。国民の命、日本の平和のためにも、このような危険きわまる憲法違反の法律はただちに廃止しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 いま一つ、強調したいのは、戦争法の強行が、立憲主義を壊すものだということです。安倍政権は、一内閣の判断によって、「憲法9条のもとでは集団的自衛権の行使はできない」と歴代政権が60年間余いってきた政府解釈を百八十度転換して「行使できる」ということにしてしまった。去年7月1日の「閣議決定」でそれをやりました。これは、立憲主義の国では許されないのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、政治というのは、国会で多数をもっていたら何でも許されるというものではないのです。政権をとったら何でも許されるというものではないのです。憲法の枠内でしか政治というのは、やっちゃいけないんです(拍手)。それを踏み破ることは許されないんです。圧倒的多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、最高裁長官を務めた山口繁さんまで憲法違反だと、みんないっている。「違憲か、合憲か」では、もうはっきり勝負がついている。そういう法案を、無理やり通すというのは、立憲主義、法的安定性、法の支配を根底から覆すものであって、こんなことを許したら、その行き着く先はどうなりますか。日本は無法国家になってしまう。独裁政治になってしまいます。みなさん、立憲主義と民主主義を破壊する独裁政治を断固拒否しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 私は心から訴えたい。戦争法が強行されたからといってあきらめるのは早いですよ。あきらめるわけにはいかない大問題なのです。これからがたたかいなのです。憲法違反の戦争法を廃止し、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す、新たな運動を起こそうではありませんか。安倍政権を打倒しようではありませんか。(タンバリンの音、「そうだ」の声、大きな拍手)

「戦争法廃止の国民連合政府」――違いは横に置き、国民的 大義で団結を

 第二に、それでは、どうしたら戦争法を廃止し、立憲主義と民主主義を取り戻せるでしょうか。

 衆議院選挙と参議院選挙で自公政権を打ち負かして、戦争法廃止の平和の勢力が衆参で多数を占める。そして戦争法廃止法案を国会に提出する。それを可決することがどうしても必要になってきます。

 でもみなさん、それだけでは足りないんです。戦争法を廃止したとしても、集団的自衛権行使容認の去年の7月1日の「閣議決定」が残ります。これが残っている限り、自衛隊の海外派兵の根が残ってしまう。火種が残ってしまう。立憲主義を壊す異常な事態が続くということになってしまいます。

 ですから私は訴えたい。戦争法を廃止し、去年の7月1日の「閣議決定」を撤回させるという二つの課題を実行しようとすれば、もちろん安倍政権のもとではダメですよ。安倍政権を倒して、新しい政府をつくる必要がある。このことを訴えたいのであります。(拍手)

 私は、心からよびかけます。“戦争法廃止、立憲主義を取り戻す”―この一点で一致するすべての政党、団体、個人が共同して「戦争法廃止の国民連合政府」をつくろうではありませんか。(大きな拍手)

 みなさん、野党の間には基本政策の違いがあります。たとえば、日米安保条約の問題をとっても、私たちは廃棄の立場ですが、違う立場の野党もあります。しかしみなさん、そういう問題で立場が違うからといって、安倍政権を続けさせるわけにはいかないじゃないですか。(「そうだ」の声、拍手)

 安倍政権を倒す必要がある。そうであるならば、野党はそういう政策の違いがあったとしても、それは横に置いて、いま直面している緊急の大問題で団結すべきではないでしょうか。戦争法を廃止し、この国に立憲主義と民主主義を取り戻す―この一点で、野党は団結して、政府をつくるべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん、“戦争法廃止、立憲主義を取り戻す”という課題は、文字通り国民的大義をもった課題だと思います。この点で一致がつくられるならば、この政府では、その他の当面する国政上の課題はいろいろありますが、相違点は横に置く、一致点で協力する―この原則でしっかりとした政権調整をすれば、国民のみなさんに責任をもった政権運営ができると、私は確信をもって言いたいと思います。(拍手)

 同時に、みなさん、この政府は、戦争法を廃止して立憲主義を回復するという仕事をしっかりとやりぬいたら、解散・総選挙をやって、その先の日本の進路については国民のみなさんと相談して決めていく。これが私たちの考えです。これが、一番現実的、合理的な道ではないでしょうか。(拍手)

 そういう意味で、この政府は、暫定的な、限定的な性格をもった政府です。しかし「国民連合政府」が取り組む戦争法の廃止と立憲主義の回復というのは、あれこれの政策課題の実現とは次元の違う大問題です。立憲主義の回復というのは、さまざまな政策課題の実現とはレベルの違う、この国の根幹、土台にかかわる大問題です。この国の土台が危なくなっているのです。だからこの土台を立て直そうというのは、本当に大きな国民的大義がある仕事ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 この政府は、政党だけでなく国民みんなでつくる政府です。政党・団体・個人みんなでつくる「国民連合政府」がこの仕事をやりぬくならば、国民のみなさんが、文字通り「国の主人公」として日本の政治を動かした一大壮挙となり、日本の未来の大きな展望が開けてくる。私はそう信じています。どうかみんなで一緒に「戦争法廃止の国民連合政府」、つくろうじゃありませんか。(歓声、大きな拍手)

国民の声に応え、非常事態を打開するために、野党は結束を

 第三の私たちの「提案」は、「戦争法廃止の国民連合政府」で一致するすべての野党が、当面する衆議院選挙、参議院選挙で選挙協力をやろうではないか。私たちは、その実現のために誠実に力を尽くすということを表明しています。

 みなさん、私たちは、昨年12月の総選挙で沖縄では選挙協力を実行しました。沖縄の(衆院)小選挙区1区、2区、3区、4区のすべてで、辺野古の新基地建設反対という「オール沖縄」の一致点で、翁長雄志新知事の与党が協力して選挙をたたかい、1区、2区、3区、4区のすべてで、自民党を落として勝利を勝ち取りました。「オール沖縄」で勝利した。これを日本に広げようではありませんか。“オールジャパン”で、みんなで世直しをしようではありませんか。(歓声、大きな拍手)

 私たちが、この選挙協力という点でも、こういう方針に踏み切ったのには理由があります。私は、国会の前に抗議で集まってこられるみなさんの前で何度も訴えました。全国でも訴えました。私たちに寄せられた痛切な声はこうです。“戦争法案をやめさせてほしい。安倍政権を倒してほしい。そのためにも野党はバラバラじゃ駄目だ。一つにまとまってほしい”。これは国民のみなさんの声だと思います。痛切な声だと思います。この痛切な声をしっかり受け止める必要がある。この声に応えなかったら野党としての責任を果たせないことになる。そう考えて、この方針を決めました。ぜひ実らせたいと強く決意している次第であります。(拍手)

 もう一つ、私たちが、今回、この方針に踏み切ったのは、いまの日本の政治が非常事態だという認識があります。安倍政権の暴走によって、いまの日本の政治は、たいへん危ないところにきている。日本国憲法の平和主義、立憲主義、民主主義が根底から覆されかねない危険な事態になっている。こうした非常事態にさいして、日本共産党がこれまでの方針の枠内にとどまっていたら、これは責任を果たせません。そういう思いから、私たちはいまお話しした「提案」をさせていただきました。(拍手)

 第一の提案は、戦争法廃止、安倍政権打倒のたたかいを発展させる。

 第二の提案は、「戦争法廃止の国民連合政府」をみんなでつくる。

 第三の提案は、そのために野党が選挙協力する。

 三つの提案、いかがでしょうか。(大きな拍手)

 みなさん、私たちは何としても実らせたいと決意しています。安倍政権を倒し、「国民連合政府」をご一緒につくっていこうではありませんか。(大きな拍手)

各党、各界のみなさんと話し合い、実現のために力をつくす

 私たちは、いまお話しした「提案」をもって、各党のみなさん、各界のみなさんと話し合いを始めております。

 今日は、民主党の岡田代表と私で党首会談を行いました。40分あまりの会談になりました。冒頭、私の方から、今お話しした私たちの「提案」の三つの項目について、説明をいたしました。岡田代表からは、「思い切った提案をいただいたことに敬意を表します」というお話がありました。そして私が提案した三つの項目の一つひとつについて、熱心かつ真剣なご質問やご意見が私に寄せられまして、私も一つひとつ丁寧に考えをお伝えいたしました。最後に、「今後も引き続き話し合っていく」ということで一致したということをご報告したいと思います。(拍手)

 私としては、全体として、たいへん良いスタートが切れたのではないかと考えております。(拍手)

 引き続いて、週明けの月曜日には、社民党の吉田党首、生活の党の小沢代表と会談する予定であります。維新の党の松野代表、無所属の会の水野代表とも会談をしたいと思っております。今日の「日刊ゲンダイ」を見ますと、生活の党代表の小沢一郎さんのコメントが出ております。こういうふうにおっしゃっております。「次は選挙だ。選挙に勝利して政権を取り、法律の廃止を目指す。今回の共産党の声明は、そういう頭の切り替えと素早い行動だった」「共産党が、全選挙区に候補者を立てるという、これまでの方針を転換することは、現実の選挙においてものすごいインパクトがある」「断然、勝利は近づく」「他の野党も連携の輪を広げるように努力すべきではないかと思う」。こういうエールを送ってくださったこともご紹介したいと思います。(拍手)

 そして、たくさんの方々から賛同と激励の声が寄せられております。「立憲デモクラシーの会」の呼びかけ人で上智大学教授の中野晃一さんは、私たちの「提案」を「国民が渇望した提案」と評価していただきました。作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは「野党はお互いに虚心坦懐に力を合わせてほしい」と激励してくださいました。慶応大学名誉教授で弁護士の小林節さんは「『わが意を得たり』の思い」「私もできることをやっていきたい」といってくださいました。

 ひとつお知らせですが、来週月曜日(28日)の午後8時から「とことん共産党」というインターネット番組があるのですが、そこで小林節さんと私が対談をする予定となっていますので、どうかご覧ください。(拍手)

 みなさん、「戦争法廃止の国民連合政府」の成否は、国民のみなさんの世論と運動にかかっております。

 どうか、応援してください。(歓声、拍手)

 どうか一緒に実現しようではありませんか。(歓声、拍手)

 安倍政権を退場させ、立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい日本を、ご一緒につくろうではありませんか。(歓声、拍手)

 以上で私の訴えとさせていただきます。雨の中、ご清聴ありがとうございました。がんばります。(歓声と大きな拍手)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって