2015年9月25日(金)
消費税10%実施に固執
安倍首相が総裁再選会見
自民党は24日、両院議員総会を開催し、安倍晋三首相が先の自民党総裁選挙で無投票当選したことを受け、正式に再選を決定しました。安倍首相は同日、記者会見し、民意を無視して強行成立させた戦争法に一言も触れない異常な態度を示すと同時に、2017年4月からの消費税率10%への増税は予定通り実施する意向を表明しました。
安倍首相は今後、「1億総活躍社会」を目指すとし、(1)希望を生み出す強い経済(2)夢をつむぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障―の新たな「3本の矢」を打ち出しました。
経済では、国内総生産(GDP)600兆円の達成、子育て支援では、現在1・4に落ち込んでいる出生率を1・8までに回復、社会保障では、直近の調査で10万人を超えた介護離職者をゼロにするなどと“大風呂敷”を広げて説明。「アベノミクスは第2ステージに移る。1億総活躍社会をめざす」と述べました。
安倍政権下で大企業は利益をあげ内部留保を増やしましたが、労働者の実質賃金は上がらず、介護保険や保育制度の改悪などで社会保障や子育て制度を後退させてきました。これらの路線への反省もなく、アベノミクスの転換がなければ、「1億総活躍社会」の実現など望むべくもありません。首相からその点での説明は一切ありませんでした。
一方で首相は、消費税10%増税に関し、「予定通り実施する」と明言。国民の懐を冷え込ませ、経済に深刻な打撃を与える政策に固執する欺瞞(ぎまん)に満ちた態度を示しました。