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2015年9月24日(木)

戦争法・歴史問題 メディアはどう対応

日中韓記者フォーラムで議論

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 中国共産党機関紙・人民日報社が主催する中国、日本、韓国の主要メディアによる円卓フォーラムが20日に北京で開催され、日本の戦争法や歴史問題、北朝鮮の核問題などについての対処法や報道の役割について活発な議論が交わされました。 (北京=西村央 写真も)


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(写真)20日、北京で開かれた日中韓メディアの円卓フォーラム

 これは同社が開いた「一帯一路メディア協力フォーラム」に先立って、3カ国の27社の参加で行われたものです。日本からは共同通信、時事通信、「朝日」、「読売」、「毎日」、「日経」、北海道新聞、中日新聞、西日本新聞、「しんぶん赤旗」の10社、中国からは人民日報、環球時報、新華社など8社、韓国からは中央日報、朝鮮日報、東亜日報、聨合ニュースなど9社が参加しました。

中韓は強い懸念

 フォーラムのなかでは、日本で19日未明に強行成立させられた憲法じゅうりんの「戦争法」について、司会をした中国中央テレビのアナウンサーから、「この法案には、中韓両国は強い懸念を抱いている」との表明があり、各社からこれに触れる発言が相次ぎました。

 日本の新聞社側からは、「安保法制」に反対の立場を表明したと発言する新聞社があった一方、「抑止力を高める」として賛成の立場を取ったが、反対世論が強いと感じていたことを率直に述べる社もありました。

 中国紙の編集局長は、日本で盛り上がった反対運動について、「反対する国民の姿をみて、日本をより深く理解できた」と発言。韓国紙の編集局長は「安保法案には、日本でも多くの反対論があり、メディアはそれを報じていた。反対意見を含め多様な報道をしている点で韓国と共通している」との見解を示しました。

 「赤旗」の小木曽陽司編集局長は、日本共産党の志位和夫委員長が19日、「戦争法廃止」の国民連合政府を提案したことを紹介。「強行された戦争法を廃止し、日本の政治に立憲主義、民主主義を取り戻すことは、北東アジアの平和的環境の構築にとっても不可欠の課題」と訴えました。

民間交流の流れ

 フォーラム全体を通じて論じられたのは、歴史問題、領土問題などで日中韓3国の政府間の関係がぎくしゃくしているもとで、民間交流が重要であり、メディアの役割が問われるという点でした。

 日本の新聞社からは、「政治や外交がどうあったとしても、それにひるむことなく経済、文化、民間交流の流れを育てていかなければならない。民間のセカンドトラックが大事」との表明があり、2006年以来開かれてきた日中韓の賢人会議や今回のような記者交流もまたセカンドトラックであるとの見方が示されました。

 韓国紙からは、「メディアは偏見をなくす努力をすべきだ」との表明があり、3カ国のメディアで共通してできることとして、ナショナリズムの利用や歴史の無視をやめることなどを提起しました。中国紙からは「ナショナリズムがネガティブイメージを増幅している。私自身も含めて反省が必要だ」との表明がありました。

 北朝鮮の非核化も焦点の一つとなり、日本の新聞社が「北朝鮮の非核化のために3カ国のメディアが協力して何ができるのか考えるべきだ」と指摘。メディア交流でも北の核問題を議題に開いてはどうかと提案しました。


 セカンドトラック 政府間の外交交渉をさす「ファーストトラック」に対し、当局の政策決定に影響を持つ学者、元当局者、議員や、NGO関係者などによる民間レベルの交流・交渉のこと。


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