2015年9月23日(水)
地方切り捨て乱開発の危険
社会資本整備重点計画
政府は、2020年度までの社会資本整備の指針となる「社会資本整備重点計画」を閣議決定(18日)し、前倒しで整備を進めていく方針です。地震・災害対策など国民の願いに対応する一方で、「国際競争力強化」の名で都市再開発などを盛り込んでいます。
重点計画では、「老朽化」「災害」「人口減少・高齢化」「経済成長」に対応する四つの重点目標と13の政策課題を掲げました。
洪水や浸水対策が想定される1300の市区町村でハザードマップを作成・公表するほか、洪水対策が完了した河川区間の割合を国管理区間は71%(14年度)から76%に、都道府県管理区間は55%(同)から60%に引き上げます。
一方で、住宅や公共施設などを中心部に集約・再編する「コンパクトシティー」構想を推進。公共施設を統廃合する「立地適正化計画」の作成を進め、「利便性の高い」地域の居住人口を38・6%(同)から41・6%に引き上げます。身近な公共施設やサービスがなくなり、周辺地域の切り捨てを招く危険性を抱えています。
さらに、「大都市圏の国際競争力の強化」の名で、規制緩和による都市再開発の完了数を8(同)から46に引き上げるほか、首都圏空港の処理能力を7・9万回増やします(10%増)。三大都市圏環状道路の整備率を68%(同)から80%に引き上げ、国際コンテナ戦略港湾の大水深バースを3(同)から12に4倍化します。
ムダ遣いと住環境破壊の大型開発を推進する方向です。