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2015年9月23日(水)

きょうの潮流

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 1944年10月から第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。大岡昇平原作の映画「野火」は、敗戦が色濃くなった中での日本軍のたたかいがどれほど残酷なものだったか。これでもかというほど見せつけます▼食料や医薬品の補給路が断たれ、戦没者の大半は餓死や病気による戦病死。楽園のような美しい自然と野ざらしになった日本兵の死体とのコントラストが衝撃的です▼本紙日曜版に登場した料理家・辰巳芳子さん(90)の夫も、フィリピン戦線で戦死しました。3週間足らずの結婚生活。出征する夫の隊列を見送りに行った日のことを忘れられません。すりこぎのような木の棒を提げ、履いていたのは地下足袋。まともな武器も軍靴も食べ物もないまま戦地に行った部隊3800人のうち、生きて帰って来たのはたった8人でした▼戦後55年がたち、初めて夫の死んだ場所を訪ねた辰巳さん。激戦地コレヒドール島の米軍施設跡地で思いがけないものを見聞きします。テニスコートの下に造られた米軍の秘密のプールでした▼「負けるのは当然と思った。葉っぱの裏についた露をなめるしかなかった日本軍と、自分たちの兵士を大事にしてプールで水を補給した米軍。餓死した日本兵の魂は、無念のあまり靖国に行くことを拒否したと思う」と辰巳さん▼「いのちを軽んずる国の姿勢は今も変わらない。憲法9条は当時の若者のいのちの代償であることを忘れてはならない」。戦争法を強引に成立させた安倍政権を厳しく批判します。


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