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2015年9月23日(水)

主張

少人数学級の推進

国民の願いにこたえ実現急げ

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 1クラスの子どもの人数を減らし、ゆきとどいた教育を保障する少人数学級の推進を保護者、教育関係者をはじめ多くの国民が立場を超えて強く求めています。とりわけ教育現場の困難が広がる中で、その実現は切実な要求になっています。ところが文部科学省は来年度予算の概算要求で、少人数学級を進めるための教員定数増を見送ってしまいました。政府は国民の願いにこたえ、少人数学級の推進へ手だてをとるべきです。

関係者の一致した要求

 小中学校の1クラスの人数は、2011年に法律が改正され、小学1年生について31年ぶりに基準が引き下げられ35人以下になりました。12年度からは小学2年生を35人学級にする予算がつきましたが、12年末に発足した安倍晋三政権は、その上の学年を35人学級にすることをやめてしまいました。

 しかし、貧困と格差の広がりなどさまざまな要因で、手厚い対応が必要な子どもが増え、現行の1クラス40人では学級運営が大変なことは、校長、教職員、教育委員会やPTAの関係者などが一致して認めています。独自に少人数学級を実施する自治体は全国に広がっています。国際的にみても欧米では30人以下学級が普通で、韓国も35人学級を目標にしています。

 日本共産党の畑野君枝衆院議員は今年2月の国会で、11年の法改正のとき付則で小学2年生以上についても順次、少人数学級を検討・実現すると全会一致で決めていたことを示し、少人数学級推進を強く迫りました。安倍首相は「35人学級の実現に向けて鋭意努力していきたい」と答弁しました。注目すべき重要な変化でした。

 しかしその後、動きがありません。逆流すらあります。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は6月に出した建議で、教職員定数を大幅削減することを求めました。これでは国の責任による少人数学級の実現が遠のくばかりか、自治体が独自に実施している少人数学級の維持も困難になります。

 財政審の建議には日本PTA全国協議会が反対の声をあげ、文科省も「きめ細かい対応がこれまで以上に必要」だと反論しました。衆院の文部科学委員会と参院の文教科学委員会はともに、建議は11年の改正法などの趣旨に反するもので「到底容認できない」とする決議を全会一致であげました。少人数学級の推進は、党派や立場の違いを超えて関係者が一致する切実な要求になっているのです。

 文科省が予算概算要求で少人数学級の推進を盛り込まなかったのは、財務省・財政審の圧力によるものですが、多くの関係者の声を無視することは許されません。

国民の力をあわせ

 日本共産党は3月、「今こそ国民の力をあわせ少人数学級の推進を」との提言を発表しました。「提言」では小中学校の全学年を8年計画で35人学級にすることを提案しています。そのために必要な国の予算は、中学3年生まで全学年で35人学級が完成する年でも約56億円で、政党助成金約320億円の6分の1強です。

 少人数学級は、一人ひとりに目を向けてほしい、ていねいに勉強を教えてほしい、話をきいてほしいという子どもたちの願いにこたえるものです。国民的共同を広げ、国の施策として少人数学級を推進させましょう。


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