2015年9月16日(水)
この国の民の声聞け
中央公聴会で元最高裁判事・学者・学生 「戦争法案廃案しかない」
自公両党が戦争法案の採決強行の構えを強める中、参院安保法制特別委員会は15日、識者ら6人を招き、中央公聴会を開きました。過去10年間で最多となる95人の応募者から選ばれた学生団体・SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)の奥田愛基(あき)氏(明治学院大学生)ら4氏が、法案の採決に強く反対を表明しました。
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「国会前の巨大な群像の中の1人として国会にきています」と述べた奥田氏は、行動こそ主権者として当たり前のことであり、「この国の憲法の理念を体現するもの」と強調。世代を超えた反対のうねりは、70年間の平和主義の歩みを引き継ぎ、守るものだと述べました。
そのうえで、政府答弁が二転三転し、何度も速記が止まる審議の状況をあげ、「今国会での可決は無理です。廃案にするしかない」と表明。法案については、「自由で民主的な社会を望み、反対する」と述べ、国会議員に対して「政治家とはどうあるべきなのか、考え、この国の民の意見を聞いてください」と訴えました。
浜田邦夫・元最高裁判事(弁護士)は、法案について「違憲だ」と明言。元裁判官でありながら「一私人」として立ち上がった理由について、浜田氏は「次の世代に自由で平和で豊かな社会を残したいからだ。(法案に)大変危機感があり、日本の民主社会の基盤が崩れていく」と述べました。
名古屋大学の松井芳郎名誉教授は、安倍政権が主張している「自国防衛」のための集団的自衛権行使という考え方について、「限定的容認ではなく、(国際法上の)集団的自衛権の解釈そのものだ」と述べ、全面的な容認にあたると批判。国際司法裁判所(ICJ)が、集団的自衛権の「他国防衛」説を採用しているとも指摘しました。
慶応大の小林節名誉教授は「今度の法律ができると、不戦から戦争可能状態に入る。戦争法案以外の何物でもない」と述べ、「レッテル貼り」と欺まんを繰り返す政権の姿勢を批判しました。
日本共産党から井上哲士議員が質問に立ちました。