2015年9月15日(火)
論戦ハイライト
戦争法案と新指針で運用・訓練・基地まで日米軍事一体化
参院特別委で山下氏追及
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日本共産党の山下芳生書記局長は14日の参院安保法制特別委員会で、新たな日米ガイドライン(日米軍事協力のための指針)と戦争法案によって運用から訓練、基地まで米軍と自衛隊の一体化が進む危険性を明らかにし、廃案を厳しく迫りました。
安保条約の枠も超え
日米が地球規模で平時から有事まで「切れ目なく」共同対処することをうたった新ガイドライン。自衛隊統合幕僚監部の内部文書から明らかなように、戦争法案はガイドラインを実行するための法案です。
新ガイドラインでは「日米両国が…米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため…武力の行使を伴う行動をとる」としています。「日本の領域」で、日米の「いずれか一方」に攻撃があった場合に武力行使するとした安保条約のもとで、こんなことが可能なのか。
首相 安保条約上の義務を果たすためではなく、わが国を守るために武力行使をするということだ。
山下 事実上の安保条約改定だ。憲法解釈を勝手に変え、安保条約の枠も超えて、日本が武力行使する場面を飛躍的に拡大させるものだ。
新ガイドラインでは、平時から有事まで自衛隊と米軍の政策面、運用面での調整強化を盛り込み、統幕文書には「軍軍間の調整所」の設置まで記されています。
山下氏は「日米統合司令部をつくるものだ。すでに陸・海・空の自衛隊司令部が米軍基地内に置かれ、日米の司令部は一体化している。そのうえ、『軍軍間の調整所』を常設でつくるのは一体化をさらに深化させるものだ」と指摘しました。
内部文書が示す 沖縄の基地一体化
訓練の一体化も進んでいます。
戦争法案審議中の8月31日〜9月9日には米カリフォルニア州で、自衛隊1100人と米軍3000人が参加する日米合同の大規模訓練「ドーン・ブリッツ15」が行われました。山下氏は、自衛隊の護衛艦「ひゅうが」の甲板上で、米海兵隊オスプレイを誘導する自衛隊員が写る画像をパネルで掲げて、「まさに米軍と自衛隊が一体だ」と指摘しました。
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基地の一体化も進んでいます。
山下氏が暴露した統合幕僚監部作成の文書「日米の『動的防衛協力』について」(2012年7月)には、沖縄の米軍基地の13施設・2水域を日米共同使用基地にする計画が示されています。同文書には、米軍キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンに陸上自衛隊部隊を配備し、訓練を行うことなどが盛り込まれています。10日の記者会見で、河野克俊統幕長は同文書の存在を認め、3日にも「(共同使用は)シュワブ、ハンセンも含め検討している」と述べていました。
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山下氏は同文書には米海兵隊第3海兵遠征軍司令部がおかれるキャンプ・コートニーに自衛隊の新司令部を置く計画まで記されていることをあげ、「こんなことまで計画しているのか」とただしました。
これに対し中谷元・防衛相は河野氏の一連の発言を把握しておらず、うろたえる始末でした。
山下氏は河野氏の3日の会見記録の該当部分を中谷氏に読み上げさせ、発言を認めさせました。
山下氏は「ごまかしてはダメだ」と一喝。国民多数の声に応えて戦争法案は廃案にするよう主張しました。
山下氏は最後に「どうしても言いたい」と声をあげ、安倍政権が沖縄県名護市の辺野古新基地建設作業を再開させたことに抗議。「翁長知事は埋め立て承認取り消しを通知したが、重く受けとめるべきだ。国民多数の声、沖縄県民の声に耳を傾けず、暴走する政権に未来はない」と強調しました。