2015年9月12日(土)
改悪派遣法の成立強行
衆院本会議 自公などが歴史的暴挙
「常用代替防止」覆す
高橋議員が反対討論
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派遣労働の期間制限をなくし、「正社員ゼロ」社会に道を開く労働者派遣法改悪案の採決が11日の衆院本会議で強行され、自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党、民主党、維新の党、社民党、生活の党は反対。国会周辺には多くの労働者が駆けつけ、歴史的暴挙に抗議し「悪法は実施させない」と訴えました。
衆院本会議で採決された改悪案は、衆院通過後、参院で施行日を9月1日から30日に変更するなどの修正をしたため、改めて衆院に回付されたもの。衆参両院での審議では、「正社員への道を開く」などとした政府の論拠は破綻し、塩崎恭久厚生労働相がまともに答弁できなくなるなかで、数を頼んで押し通したものです。
日本共産党の高橋千鶴子議員は反対討論で、「『臨時的・一時的』『常用代替の防止』としてきた派遣労働の大原則を根底から覆す重大な改悪だ」と批判しました。
法案の狙いは、派遣労働者に直接雇用への道を開く「労働契約申し込みみなし制度」(10月1日施行)を発動させないことにあると高橋氏は指摘。「派遣切り」防止から生まれた「みなし制度」について、「施行のたった1日前に本法案が施行され、手にするはずの直接雇用の権利を『なかったこと』にされる。こんなことが許されるのか」と糾弾しました。
さらに、施行日まで20日間しかなく、まともな施行などできないと批判。改悪案が昨年2度も廃案になったうえ、今回も審議中に与党が法案を修正したことについて「政府・与党が自ら欠陥を認めたからにほかならない」と指摘し、法案は廃案以外にないと主張しました。