2015年9月11日(金)
戦争法案廃案必ず
多彩に声あげ
憲法破壊、民主主義破壊の戦争法案は絶対に許せない―。国会審議のヤマ場を迎えた10日、宗教者や国際協力活動をおこなうNGO有志、出版人、ママの会などが「もう黙っていられない」と、多彩な行動にとりくみました。
宗教者
雨のなか第3次行動
「信仰から絶対許せない」
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宗教・宗派を超えた宗教者が呼びかけ人となってつくった「もう黙ってはいられない! 戦争法案に反対する宗教者の会」は、時折強く雨が降るなか、衆院第2議員会館前で第3次の行動をしました。
呼びかけ人代表の山崎龍明氏(浄土真宗本願寺派法善寺前住職・仏教タイムス社長)はあいさつで、9日夜の日比谷野外音楽堂に、豪雨のなか5500人が集い、戦争法案廃案の声をあげたことに触れ、「戦争法案廃案へ、一人ひとりの力を信じ、一人ひとりの声をあげつづけていこう」と呼びかけました。
行動に参加した柴田智悦氏(日本同盟基督教団横浜上野町教会牧師)は、「戦争に道をひらき、殺し殺されることになる法案は、私の信仰から絶対に許せません。戦争を前提にした法案は憲法違反です」と語りました。
日本共産党の本村伸子、畠山和也両衆院議員が連帯のあいさつをしました。
出版関係
アピールに社長など603人連名
講談社顧問・小学館最高顧問ら
出版関係者603人が賛同するアピール「安倍政権の国会運営と『安全保障関連法案』の強行採決に反対する!」が発表されました。
よびかけ人は、講談社顧問の大竹永介氏、小学館最高顧問の白井勝也氏、元東洋経済新報社社長の浅野純次氏、童心社会長の酒井京子氏ら出版関係者有志。岩波書店、偕成社、岩崎書店の各社長らも名を連ねています。
アピールは、一時の首相や政治勢力の思惑で勝手な憲法解釈をして「戦争をする国」に変えることは絶対に許されないと強調。言論統制で表現活動が規制された歴史にもふれ、民主主義と平和につながるすべてを否定する安保法案反対の運動との連帯を訴えています。
ママの会
自民に2万人メッセージ
「私たちはあきらめない」
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「安保関連法案に反対するママの会」は、戦争法案の廃案を求める約2万人のママたちのメッセージ冊子を自民党本部に提出しました。
雨のなか、子どもを含む約20人が参加。館内での提出はかなわず、門の外で自民党職員に手渡しました。
冊子は8月27日に開いた同会主催の国会内集会で野党議員に提出したもの。「誰の子どももころさせない」「子どもたちを戦場に送らないで」という思いがつづられています。
同会の西郷南海子さんは「集会に与党議員は参加してもらえず、安倍首相にいたっては冊子を受け取る担当者さえいないといわれました。そんななか、今日やっとママたちの思いを提出できました。集団的自衛権がなぜ必要なのか、納得できる説明はまったくありません。ママたちはあきらめません」と話していました。
視覚障害者
アピール賛同600人超
「戦争は、人権を奪い、民主主義を排除し、穀(ごく)つぶしとして障害者の存在を否定する」として戦争法案廃案を求める「視覚障害者・関係者」アピールへの賛同者が、600人を超えました。
全日本視覚障害者協議会(全視協・田中章治代表理事)が6月下旬から呼びかけたもの。8月末までに500人をめざし、賛同者は624人になりました。
全視協の山城完治理事は「憲法は、私たち視覚障害者の歩行の安全を確保する“ホームドア”に例えられます。戦争法案が成立すれば、安心・安全のためにつくったものが壊され、命の危険にさらされます」と述べ、戦争法案の廃案を訴えています。
NGO
国際共同声明 331団体
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国際協力や交流活動を行う国際非政府組織(NGO)の有志でつくる「NGO非戦ネット」は、国会内で記者会見し「安全保障法制に反対するNGO国際共同声明」を発表しました。声明に賛同するNGOは、日本国内で103団体、海外で228団体にのぼりました。
声明を読み上げた日本国際ボランティアセンターの谷山博史代表理事は「平和憲法を持つ日本に、軍事化・暴力化の世界に加わってほしくないという国際市民社会からの願いです」と訴え。ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子弁護士は「アジアや中東の紛争地域で活動するNGOが多く賛同したことの意味は重い」とのべました。
アフガンで医療・教育支援をしている「カレーズの会」理事長のレシャード・カレッド医師は「中東の国々が日本に期待しているのは軍事支援ではなく、平和的な支援です」と語りました。
ビルマ民主化ネットワークのチョーチョーソー代表は「安倍首相に『安全保障は軍事力ではなく、他の選択はないのか』と問いたい」と話しました。