2015年9月10日(木)
「イラク型」派兵可能
PKO法改定で中谷防衛相
井上氏「隊員を危険にさらす」
中谷元・防衛相は9日の参院安保法制特別委員会で、陸上自衛隊が「人道復興支援」を口実に2004年から06年までイラク・サマワで行ったような派兵が、戦争法案の一部であるPKO(国連平和維持活動)法改定で可能になるとの認識を示しました。日本共産党の井上哲士議員らへの答弁。
当時のイラクについて、政府は停戦合意などPKO参加5原則を満たしておらず、PKO派兵はできないとしてきました。しかし、戦争法案では、武力紛争が続いていても、特定の地域で「停戦合意」があれば、自衛隊の派兵が可能になります。
井上氏は、イラク全土では停戦合意が成り立っていない下でも、サマワのような特定地域に、改定PKO法で派兵が可能になるのかただしました。
中谷氏は「国連などが特定した地域において、条件が合うところであれば実施は可能」と認めました。
また、中谷氏は民主党の藤末健三議員に対して、「他国軍に安全を守ってもらうような状況では活動できないので、今回の法律をつくった」と答弁。サマワでは自衛隊の武器使用は「自己保存」に限られ、「安全確保」を他国軍に依存していたものの、PKO法改定で「任務遂行」型武器使用を解禁し、「安全確保業務」が追加されたため、サマワ型派兵が可能になったとの認識を示しました。
井上氏は、「『非戦闘地域』とされたサマワでも宿営地への砲撃などが相次いだ。そのような場所に派遣することで、これまで以上に自衛隊の派遣部隊を危険にさらすことになる」と批判しました。