2015年9月9日(水)
「白紙撤回」名ばかり
新国立計画 田村智子議員が批判
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日本共産党の田村智子議員は8日の参院文教科学委員会で、2020年の東京オリンピック会場に予定されている新国立競技場の整備計画「白紙撤回」は名ばかりだと批判しました。
巨額な整備費用が国民の批判を浴び、日本スポーツ振興センター(JSC)は今月1日、1550億円程度とする新たな整備事業の公募を開始しました。
田村氏が、整備条件となる整備要求水準書で新国立競技場の高さや人工地盤の計画変更はあるのかと質問したのに対し、JSCの鬼沢佳弘理事は「8万席のスタジアムで旧計画と変更はない」と答えました。
田村氏は「計画を白紙にするなら、高さ制限を含む都市計画決定の見直しをすべきだ」と主張。すでに首都圏には巨大スタジアムがいくつもあるにもかかわらず8万席とすることは、巨大施設建設となる整備計画にほかならないと指摘しました。
田村氏はさらに、計画見直しに寄与した建築家・槇文彦氏らによる人工地盤を前提としないコンパクト化の代替案は認められるかと質問しました。これに対し遠藤利明五輪担当相は、できると答えられませんでした。
田村氏は、当初の計画案は神宮の森の景観を無視した建物の高さにも批判が集中したとして、上限70メートルであってもできるだけ抑えることで景観との調和をめざすべきだと主張。「新国立競技場が神宮外苑の巨大開発の引き金になるようなことはあってはならない」と強調しました。