2015年9月9日(水)
統幕文書 説明拒む
防衛省 会談記録は存在
防衛省は8日、日本共産党が暴露し存否確認を求めてきた河野(かわの)克俊統合幕僚長と米軍中枢幹部との会談を記録した内部資料について「会談の記録は省内に存在する」と明らかにする一方、党が暴露した資料との「同一性はお答えしかねる」「一つひとつどこが違うか明らかにすると、相手方との信頼を損なう」などと説明を拒みました。
同日の参院安保法制特別委員会理事懇談会で、防衛省の黒江哲郎防衛政策局長が報告しました。黒江氏は、党が暴露した資料と「同一性のあるものは確認できなかった」と述べました。会談記録の存在を認めながら、軍事組織間の「信頼」をたてに、どう違うのか明らかにせず、あくまで国民に隠し続ける姿勢を示しました。
特別委員会の委員である日本共産党の井上哲士議員は「問題は(会談の)中身だ」と主張し、あらためて河野氏の国会招致を求めました。民主党の福山哲郎議員も「本人に確認しなければいけない」と述べ、井上氏に同調しました。
内部資料は、昨年12月に訪米した自衛隊トップの河野統幕長と米軍や国防総省の幹部との会談の概要を記したもの。戦争法案の閣議決定(5月)のはるか前に、河野氏が米側に成立時期を「来年夏までに」と伝達するなど、自衛隊の暴走と、対米従属の実態が記されています。2日の特別委で日本共産党の仁比聡平議員が暴露。中谷元・防衛相に写しを手渡し、存否確認を求めていました。
井上氏は同日、国会内で記者会見し、「(防衛省は)米国との関係で中身を明らかにはできないとしているが、事実上、同趣旨のものがあることを認めた」と語り、引き続き特別委員会で追及していく考えを示しました。