2015年9月9日(水)
派遣法改悪案 採決を強行
「企業べったり」小池氏が反対討論
参院委
自民、公明両党は8日の参院厚生労働委員会で、「生涯ハケン」「正社員ゼロ」への道を開く労働者派遣法改悪案の採決を、日本共産党など野党の反対を押し切って強行し、可決しました。法案には日本共産党をはじめ民主党、維新の党、社民党などすべての野党議員が反対しました。
日本共産党の小池晃議員は反対討論で「これほどあからさまに労働者の権利を踏みにじり、企業側の要求にべったりと応える法案を見たことがない。廃案とし、きっぱり出直すべきだ」と主張しました。
この日与党は委員会終了直前に突然、質疑を打ち切る動議を提出する動きを見せました。これに対し野党議員が抗議。法案廃案を求めて朝から傍聴席につめかけた労働者からも「採決するな」との声があがり議場は一時騒然となり、「質疑打ち切り」の強行はできませんでした。
委員会は休憩となり、午後3時すぎに再開される1時間前に与党は理事会で突然、施行日を9月1日から30日に変更するなどの「修正」案を提案し、採決を主張しました。
小池議員は、修正案の質疑もないまま採決されることになるため「新たな問題点もある。質疑を行うべきだ」と主張。社民党議員らも反対しましたが、自民、公明は押し切って採決に持ち込みました。
小池議員は反対討論で、質疑抜きの採決に「立法府としての責任放棄だ。法案への賛否を超えて国会が問われる問題だ」と強調しました。
また、「法案は、いつでも、どこでも、いつまでも派遣労働者を使い続けることを可能にする」と指摘。「みなし雇用制度」の施行直前に改悪案を成立させて、派遣労働者が直接雇用される権利を奪うことはゆるされないと批判しました。
自民、公明、維新が提出した「職務に応じた待遇確保法案」は賛成多数で可決されました。日本共産党は実効性がないとして反対。民主、社民も反対しました。