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2015年9月6日(日)

きょうの潮流

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 戦争法案が何をもたらすか。それを考える手掛かりの一つに自衛隊のイラク派兵(2003〜09年)があります。建前は「非戦闘地域」での活動でした。しかし実態は“戦場”そのものでした▼バグダッド空港などで米兵輸送を担った航空自衛隊。当時、航空支援集団司令官として指揮した織田邦男氏が、日本国防協会主催の講演(09年)で実情を明かしています▼現地指揮官から電話があり、攻撃を受けているバグダッド空港の上空にいる空自輸送機を着陸させてよいかどうか判断を求められました。現場に判断を任せたところ、輸送機は着陸。上空にいた他の多国籍軍機との空中接触を避けるためだったといいます▼バグダッド空港で離陸許可を待っていると、空自機の「機上を4発ロケット弾が飛んだ」。15分後に空自機が飛んだのと同じ経路を飛んだ英軍機が攻撃を受けたことも▼織田氏は、こうも証言します。「棺桶(かんおけ)も持って行き、実際に人が死んだときに、どのように出迎えて、どう追悼するのかという段取りも検討しました」。棺(ひつぎ)については、元統合幕僚長の先崎(まっさき)一氏もNHK番組(昨年4月)で「約10個近く準備」したと語っています▼「非戦闘地域」での活動といいながら、実際は「戦死」と隣り合わせだったイラク派兵。戦争法案は、海外での活動範囲を「戦闘地域」にまで広げます。安倍政権が信奉する「日米同盟」のために、イラク派兵時以上に自衛隊員の命が危険にさらされる。関係者は切実な思いで事態を見つめています。


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