2015年9月6日(日)
言論抑圧・暴言の自民「懇話会」 源流は靖国派政治団体
2010年発足「国想う在野議員の会」 首相側近・萩生田氏ら
「沖縄の新聞はつぶせ」「マスコミ懲らしめるには広告収入をなくせばいい」など言論抑圧、沖縄侮辱の暴言が飛び交った自民党議員の勉強会「文化芸術懇話会」の源流ともいえる靖国派政治団体の存在が本紙の調べでわかりました。
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この政治団体は「国想(おも)う在野議員の会」。自民党が野党時代の2010年3月5日に設立届が総務相、東京都選挙管理委員会に提出されています。
本紙が情報公開で入手した同会の「規約」には、「日本の歴史・伝統・文化を大切にし国柄を守る理念に基づき…必要な政治活動を行う」と記述しています。
代表者は、自民党で文部科学相、国土交通相などを歴任、10年6月に離党し、たちあがれ日本、日本維新の会に所属した中山成彬(なりあき)元衆院議員です。
「主たる事務所」は、安倍首相の側近、萩生田(はぎうだ)光一総裁特別補佐(衆院東京24区)の東京都八王子市の事務所内に置き、会計責任者・事務担当者も萩生田氏の公設第1秘書です。
メンバーは、中山、萩生田両氏はじめ14人でスタートしましたが、現在13人。うち、萩生田氏はじめ、文化芸術懇話会の参加者が、懇話会代表で、自民党青年局長を更迭された木原稔衆院議員(衆院熊本1区)、薗浦健太郎外務政務官(衆院千葉5区)、松本洋平内閣府大臣政務官(衆院東京19区)の4人にのぼっています。
在野議員の会メンバーが、文化芸術懇話会の中核的存在を占めているといえます。
この4氏に、牧原秀樹自民党副幹事長(衆院比例北関東)、武藤容治総務大臣政務官(衆院岐阜3区)、赤池誠章文部科学政務官(参院比例)を加えた7氏は、「靖国の英霊に対する国家儀礼の確立」や「新憲法の制定」を掲げる「神道政治連盟国会議員懇談会」の会員でもあります。
06年2月の「建国記念の日」に「日本の良き伝統と国家の品格を守る」として、自民党新人議員34人で発足した稲田朋美政調会長率いる「伝統と創造の会」に名前を連ねるメンバーも多く、このうち、薗浦、赤池両政務官は、8月15日、靖国神社に参拝しました。
在野議員の会規約は、「本会の目的を達成する」ために「研究会、講演会の開催」「関係方面への宣伝活動」などを行うとしています。会員による相次ぐ侵略戦争肯定の行動や暴言は、その一端といえます。