2015年9月5日(土)
論戦ハイライト
内部文書問題 米国と統幕長擁護の防衛相
日本共産党の井上哲士議員は4日の参院安保法制特別委員会で、河野克俊統合幕僚長と米軍幹部らとの会談記録問題をめぐる中谷元・防衛相の姿勢をただしました。中谷氏は「資料の真偽は調査中だ」と答弁を避け続ける一方、米国と河野統幕長を擁護する姿勢を浮き彫りにしました。
井上氏 「会談記録の存否調査なら簡単 本人に確認すればいい」
防衛相 なんらただす姿勢なし
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井上氏は、会談記録の存否の調査について「河野統幕長本人への確認が必要かつ、簡単な方法だ」と述べ、すぐにもできることを指摘。河野氏が3日の記者会見で、暴露された内部文書について「見た」と答えていることをあげ、発言内容を本人に直接ただしたのかと迫りました。
井上 河野氏に会ったときに、(昨年末の発言を)聞いたのか。
中谷防衛相 本人の発言について、直接どうだったかということは尋ねておりません。
河野氏との面談を認めながら、面談の場でなんらただす姿勢のない中谷氏。井上氏は「まともに調査する姿勢ではない」と批判しました。
井上氏 「自衛隊の文書でありながらなぜ米国の意向を伺うのか」
防衛相 「米国との信頼」繰り返す
さらに井上氏は、河野氏が3日の会見で、「文書が自衛隊から流出したことが確認できないと米国との交渉もできない」と述べ、自衛隊の文書でありながら米国の意向をうかがう姿勢を示していると指摘しました。
井上 米国が公表は「困る」といえば、文書の存在すら認めないのか。
この追及に対して、「米国との信頼関係に関わる」と繰り返す中谷氏に対し、井上氏は「どこの国の政府かという話だ。戦争法案自体がそういう日米関係のもとでつくられている」と指摘しました。
井上氏 「組閣前『夏までに』と約束した統幕長の責任問わないのか」
防衛相 まともな答弁できず
井上氏は、昨年12月の訪米時に戦争法案を「夏までには終了する」と約束した河野氏の発言についても、「真っ先に本人に確認すべきことだ」と指摘。河野氏が3日の会見で「与党が多数を占めたのは事実で、成立可能性が高いなと認識を持ったのは確かだ」と述べ、事実上、内部文書の発言を認めていることを突きつけました。
井上 (第3次内閣が)組閣する前の発言だ。(法案の)与党協議すらやっていない。問題だ。
中谷氏は「来週(結果を)報告できるよう全力をあげていく」と述べるだけで、なんらまともな答弁ができませんでした。
井上氏は、参院での戦争法案審議にはこの問題の究明が不可欠だと強調し、改めて河野氏の国会への証人喚問を求めました。