2015年9月4日(金)
「正社員の道」成り立たず
派遣法改悪案 小池議員が首相追及
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日本共産党の小池晃議員は3日の参院厚生労働委員会で労働者派遣法改悪案について安倍晋三首相を追及し、「正社員の道を開く」などとする首相の言い分が成り立たないと迫りました。
小池氏は、「日経」1日付で派遣社員の68%が「地位向上にならない」と改悪案に反対していることを示し、首相の言い分が正しければ派遣労働者は法案を歓迎するはずだと追及しました。安倍首相は「法律が実施されていくなかで理解は進んでいく」としか答えられず、小池氏は「法案の問題点が理解されているから、反対の声が広がっている」と批判しました。
小池氏は、違法派遣があれば派遣先が派遣労働者に労働契約を申し込んだとみなす「みなし制度」について、改悪案で業務単位の期間制限が生じなくなるため適用されず、改悪案施行前の違反についても適用されないと追及。「改正後も当然適用される」という首相の答弁はほごになるとただしました。
安倍首相は「現行のまま10月にいたれば、みなし制度が適用されてしまう。混乱を避けるためだ」と述べたため、小池氏は「みなし制度が発動され、直接雇用されたら困るという発言だ。労働者を保護する制度が発動されることの何が悪いのか」と批判しました。
さらに小池氏は、大企業の経常利益が過去最大になる一方、実質賃金はマイナスだと指摘。「給与が伸びない最大の原因が非正規雇用の拡大にある。派遣を正社員に転換して、働く人の所得を増やすことが決定的に重要ではないか」と迫りました。安倍首相は、実質賃金マイナスを認めたものの、「経済の好循環をめざしていく」としか答えられず、小池氏は「日本経済も破壊する改悪案は廃案にするしかない」と強調しました。