2015年9月3日(木)
北問題は外交努力で
井上氏「軍事対応は悪循環」
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日本共産党の井上哲士議員は8月31日、参院拉致問題特別委員会で北朝鮮の核問題などについて質問しました。
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中などがアジア・太平洋の安全保障問題などを議論するASEAN地域フォーラム外相会議(8月6日)で確認された議長声明に触れ、北朝鮮の核・ミサイル問題や日本人拉致問題の解決は、「6カ国協議の枠組みで、平和的・外交的な努力が何よりも必要」だと強調しました。
井上氏は、議長国マレーシアが議長声明で北朝鮮などに求めた、「紛争を平和的に処理する必要」「国連安保理決議の完全な履行」「6者会合共同声明(2005年)の約束を順守」などは「大変重要な内容だ」と強調。核実験を繰り返し、「核保有国」であることの既成事実化を図ってきた北朝鮮の最大の理論付けが「核抑止力」だと主張し、政府の見解をただしました。
岸田文雄外相は、「北朝鮮の核、ミサイル開発の継続は、日朝平壌宣言と6者会合共同声明、一連の国連安保理決議に違反する」「議長声明を踏まえて、これらの国際的な約束を北朝鮮が誠実かつ完全に実施するよう働きかけていく」と述べました。
井上氏は、北朝鮮問題の解決には「6カ国協議を軸として、国際的世論で包囲していくことが何よりも必要だ」と指摘。その上で、審議中の「戦争法案」にも触れ、「もっぱら軍事的対応の強調が軍事対軍事の悪循環を生み、むしろ日本側から緊張を高めることにもなりかねない」と主張しました。