2015年9月3日(木)
交戦規定共有は違憲
「武力行使範囲」 統一見解を要求
参院安保特で仁比氏が追及
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日本共産党の仁比聡平議員は2日の参院安保法制特別委員会で、戦争法案によって可能となる「米艦防護」を自衛隊が実施するため交戦規則(ROE)を改定しようとしている問題を取りあげ、「米軍と肩を並べてたたかう自衛隊になる。明白な憲法9条違反だ」と追及しました。
日本共産党の小池晃議員が8月11日の同委員会で暴露した自衛隊統合幕僚監部の内部文書では、日米新ガイドライン(軍事協力の指針)を実行していく上での「主要検討事項」として、米艦防護(アセット防護)を行うための「ROEの策定等」が明記されています。
仁比氏は、米軍の標準交戦規則(SROE)が、「敵対行為又は公然と示された敵対意図」に対し即時追撃し交戦するとしていることを指摘。「(相互防護の任務を達するために日米の交戦規定を)符合させるなら、自衛隊が米軍の『先制的自衛』にくみすることになる」とただしました。
中谷元・防衛相は「ただちにROEの共通化につながるわけではない」「(米艦防護の必要性の判断は)防衛大臣の権限だが、官邸やNSC(国家安全保障会議)と相談する」と釈明しました。
仁比氏は「どんなROEを整備するか法案に限定はないし、米艦防護の国会承認や国会報告の定めもない」と指摘。官邸やNSCが関与するという法的根拠もないと批判しました。
さらに、仁比氏は、統合幕僚監部の内部文書では、「存立危機事態」での「武力の行使の範囲」について「検討を深化させる」としていることを指摘。「安倍政権が、いくら『限定された集団的自衛権』と繰り返しても、法理上は『武力の行使の範囲』が定まっていないということではないか」と、政府見解(「武力行使の範囲」)との矛盾をただしました。
中谷防衛相は「範囲、内容は法律できまっている」などとまともに答えられず、仁比氏は政府として、内部文書で記述する「武力の行使の範囲」の検討について統一見解を文書として提出するよう求めました。