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2015年8月31日(月)

NHK日曜討論 小池副委員長の発言

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 日本共産党の小池晃副委員長・政策委員長は30日のNHK「日曜討論」で、経済政策や戦争法案をめぐって与野党の政策責任者と議論しました。


投機マネーが株価乱高下招いた 実体経済を立て直す政策を 

 冒頭、先週に起きた株価の乱高下をはじめ経済政策について議論となり、自民党の小野寺五典政調会長代理は「決して日本経済が厳しくなっている状況ではない」と発言。「農協」改革などをあげて「(アベノミクスの)『第三の矢』である規制改革を進めるのが大事だ」と述べました。公明党の石井啓一政調会長は「わが国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は堅調だ」と話しました。

 小池氏は次のように発言しました。

 小池 金融緩和で膨れあがった投機マネーが(株価の)乱高下をおこしているわけですから、私は危険な状態だと思います。「ファンダメンタルズは良い」って、安倍首相も、先ほど与党からもありましたが、そんな楽観が許されるのかと。

 それから、やはり官製相場なんです。日本の株式市場に巨額の日銀マネーをそそぎこみ、年金資金を使いこんで株価をつりあげてきた。これに失敗したら、そのつけを国民にまわすなんてことは絶対に許されないことです。

 首相官邸の執務室に株価ボードを置いているそうですけど、株価ありき、株価第一という経済政策でいいのだろうか。やはり基礎的な国民の暮らし、所得を増やして消費をしっかり温めるということをやらずに株価だけでやってきているから、こういう不安定なことになるわけです。

 こういう危険な事態を抜け出すためにも、暮らしと経済、実体経済を立て直す経済政策への転換が必要だということを警告していると思います。

個人消費冷え込みでGDP低下 アベノミクスの失敗は鮮明

 4月から6月の国内総生産(GDP)が個人消費の落ち込みなどによってマイナスとなったことが議論になり、小野寺氏は「この時期は非常に天候が悪かったとか、消費者の買い控えのタイミングがあった」と発言しました。

 小池氏は反論しました。

 小池 アベノミクスは失敗だということがはっきりしたと思います。

 GDPを見ると、総理は、消費税増税による「ワンショットの影響」が1年続くからと言ってたけれど、1年すぎた今年の4月から6月も(GDPが)マイナスになっているわけです。これを天気のせいにしてはいけない。やはり個人消費が冷えこんでいるわけです。

 その理由は何かと言えば、賃金が物価上昇に見合わずに実質賃金が低下するだけじゃなくて、6月は名目(賃金)も下がったからです。これはやはり深刻な事態だと思う。それから求人票がいくら積み上がっても、劣悪な求人、賃金が低い非正規雇用が多い。結局、就職者だって増えないわけです。

 今の経済の状況は、大企業が史上空前の利益をあげながら賃金が減り続けるという事態になっているわけで、ここをたださないといけないわけです。アベノミクスで「この道しかない」と言ったけど、この道には先がないということがはっきりしたと思います。

 先ほど、小野寺さんは、だから「第三の矢」だとおっしゃるんだけど、それでやろうとしていることは、例えば労働者派遣法の改悪で、こんなことやれば、ますます非正規雇用が増えるわけです。TPP(環太平洋連携協定)は農業を破壊するわけです。消費税を10%にする―こんなことやれば日本経済は壊滅です。私は「この道」を転換しないといけないと思います。

立法の根拠が総崩れ 戦争法案は廃案にするしかない

 次に戦争法案をめぐって議論となり、司会の島田敏男解説委員は初めに小池氏に、国会の議論の状況について意見を求めました。

 小池 参院の議論で、法案が本当にボロボロになってきていると思います。

 まず「存立危機事態」の根拠です。総理は、日本人を運ぶ米艦船への攻撃を理由にしてきたんですが、中谷(防衛)大臣は日本人は乗っていなくてもいいと言いだしました。

 衆院では「ホルムズ海峡の機雷除去」を繰り返していたんですが、イラン情勢が改善し、参院ではもう口にしなくなってきている。立法の根拠=立法事実が崩壊した。総崩れになってきている。

 それから後方支援になんの限定もないということがはっきりしてきました。なんでも運べるわけです。武器も弾薬も運べる、弾薬の提供もできる、ミサイルだって運べるし、核兵器だって法律上排除していない。結局、他国の武力行使と一体化するということがはっきりしてきました。

 それから、私は自衛隊統幕の内部文書を示しましたが、ここでは自衛隊が米軍の指揮下で暴走していることがはっきりしてきました。米軍と自衛隊の「同盟調整メカニズム」に「軍軍間の調整所」を設けるとか、一回も政府が説明してきたことのないようなものがいっぱい入っているわけです。野党の追及で、この間、77回審議がとまっています。

 これはもう、廃案にするしかないという段階にきたと言わざるを得ません。

 これに対し小野寺氏は「小池さんの話は『日本人を守る』という議論がほとんど抜けている」と反発。小池氏は次のように指摘しました。

 小池 だから、その説明が全然でたらめだと言っているんです。最初は「日本人を守る」と言っていたのが、日本人が乗っていなくても『存立危機事態』になると言いだしている。きわめて無責任な議論だと思います。

 私が示した統幕の文書だって、例えば米艦船に日本人が乗っているようなシチュエーションはいっさい書かれていない。書かれているのは、たとえば南スーダンの自衛隊PKO(平和維持活動)で、この法案が成立したら、来年の2月、3月から「駆けつけ警護」をやるとか、実際、日本を守ることと全く関係のない中身ばかりが説明されているわけです。

 結局、「日本を守る」を口実にしながら、アメリカと一体になって中東やアフリカに出て行き、肩をならべて戦争をする、それが今度の法案です。新ガイドライン(日米防衛協力の指針)で決めたことはそういうことでしょう。それを具体化するのがこの法案だと、はっきり書いているわけですよ。

 政府は誠実な説明をしていない。だから国民はこれだけ不信感を募らせているのではないでしょうか。

「60日ルール」は立憲主義の否定 修正は与党の強行に免罪符

 野党の修正案の扱いや、法案が参院に送付されてから60日以内に議決されない場合に、衆院の再議決により成立させる「60日ルール」など、今後の国会審議についても議論に。島田氏は「参院の出口に向けての着地の姿。どのような展開を見すえますか」と小池氏に問いました。

 小池 私は「着地」はさせない立場です。

 これは憲法違反なんで、圧倒的多数の憲法学者、歴代内閣法制局長官がみんな憲法違反だと言い、世論調査でも(多数が)そう言っている。修正したって憲法違反は憲法違反です。

 私は、修正は与党の強行に免罪符を与えるだけになってしまう危険があると思うんです。

 「60日ルール」という話がでてくること自体が大問題で、これ結局、参院は否決をしたという扱いになるんです。これだけの重大問題、従来の憲法解釈を根本転換するものを一院だけで決めるということです。こんなことが許されるわけがないじゃないですか。

 こんなことやれば、私は、立憲主義、法の支配を否定する独裁政治になると思います。

 国会の中では与党が多数かもしれないけど、民主主義の力で止めなければならない段階にきたと思います。今日、国会前で大集会も呼びかけられています。ぜひ、テレビをごらんのみなさんに、この集会に来ていただき、国民主権なんだから「この声を与党は聞け」「政府は聞け」という国民の声をご一緒にあげていただいて、この希代の悪法を廃案に追い込むために私たちは頑張りたいと思います。


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