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2015年8月28日(金)

工場労働者に“極限の成果主義”

トヨタ 労組に導入提案

働きぶり毎月査定、月給最大2万5千円差

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 毎月評価し、毎月賃金が変わる―トヨタ自動車が、技能職(工場労働者)に、他の大企業では例のないような成果主義賃金を導入しようとしています。最大で2万5000円もの差がつきます。連合加盟のトヨタ労組は28日の評議会で採決するとしています。


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(写真)出退勤するトヨタ自動車堤工場の労働者=愛知県豊田市

全員反対の職場も

 賃金案は、昨年7月から労使で議論してきたもので、今年5月に会社が最初の具体案を労組に示しました。

 労働者の“働きぶり”を「規律性」「協調性」「積極性」「責任性」の4項目で評価する「技能発揮給」を新設するのがポイントです。

 評価項目は「規律性」は「職務遂行にあたっての職場規律の順守度合い」を観点にするなど、上司の恣意(しい)的な査定になりかねない内容です。

6段階の考課点公平性に懸念も

 評価にそって6段階の技能発揮考課点をつけます。最高が「プラス4点」の「期待を大幅に上回り、職場の模範となる」。最低が「マイナス1点」の「期待を大幅に下回る」です。「プラス1点」が「期待どおり」という考課で、これが標準点です。

 標準額は7万円で、1点あたり5000円増減します。最高の「プラス4点」の評価では8万5000円、最低の「マイナス1点」では6万円となるために、最大で2万5000円の差がつくことになります。

 会社の当初の提案は、1点あたり1万円で最大5万円の差がつく内容でした。これにたいして職場から反対・懸念の声が噴出しました。「評価に対する公平性・納得性が十分得られるのか」「マイナスの考課点を付けられたら意欲が減退する」「チームワークが悪化するのではないか」などです。このため会社は、1点あたり5000円へと半額に改めました。

 このほか「顕著な頑張り」にたいして、10人に1人の割合で1点を各部に配分する「加点原資」にも反発があり、5人に1人の割合に増やしました。

 この「技能発揮給」の特徴は、評価期間を「直近の働きぶり(毎月)」とし、賃金が毎月の上司の査定で増減することです。この極端な制度提案に、ある職場会では全員が反対しました。「だれかの賃金を取り上げて、他のだれかにやるような賃金では人間関係がだめになる」などの声があがりました。

“飛躍的生産性向上をめざす”

 導入は16年1月からで、技能発揮給の変動開始は同年7月からとしています。トヨタは事務・技術職にも成果主義賃金を導入しようとしており、7月に開いた第1回労使検討委員会で会社側は「飛躍的な生産性向上をめざさなくてはならない」「『1分1秒たりとも決してムダにしない』高い意識を持ち…『極限の成果を追求』しなければならない」などと主張しています。


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