2015年8月27日(木)
間接雇用に安定なし
派遣法改悪案 参考人から批判
小池氏が質問
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労働者派遣法改悪案を審議している参院厚生労働委員会は26日、参考人質疑を行いました。
同じ派遣先で15年勤務している派遣労働者の宇山洋美さんは「不本意ながら派遣を続けてきた」と発言。派遣先に正社員化を求めましたが、「事務職は直接雇用しない」と却下され、役員から「派遣は雇用の調整弁だ」といわれたと証言しました。1年に一つずつ資格を取得してきたにもかかわらず、「派遣のあなたは努力してもムダだ」といわれたことに触れ、改悪案は「派遣労働者にとってメリットは一つもない。完全廃案を望みます」と語りました。
日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は、政府・与党が成立を急ぐのは、違法派遣があれば派遣先が直接雇用を申し込んだとみなす制度が施行される10月1日までに成立させ、「(同制度を)なきものにしようすることにある」と批判しました。均等待遇の規定がなければ正社員と派遣労働者の格差は縮まらないのに、法案には規定がないと語りました。
日本共産党の小池晃議員は、“派遣元で無期雇用であれば雇用が安定する”という政府の主張について質問しました。宇山氏は「無期雇用でも安定して派遣を続けている人はいない。間接雇用に安定はない」と語りました。
小池氏が、派遣先への直接雇用の依頼の実効性について質問したのに対し、経営側に立つ中山滋夫弁護士は「派遣先の経営・人事政策の問題であり、依頼すればどんどん直接雇用していけるとは考えていない」と答弁。小池氏は「政府がいうように、正社員になれる法案ではない」と強調しました。