2015年8月26日(水)
沖縄・米軍ヘリ墜落 日米特殊作戦訓練が常態化
戦争法案を先取り 参院安保特 井上議員追及
陸自隊員10人参加
日本共産党の井上哲士議員は25日の参院安保法制特別委員会で、沖縄本島うるま市沖で12日に墜落した米軍特殊作戦ヘリに陸上自衛隊特殊作戦群所属の隊員が同乗・負傷していた問題を取り上げ、戦争法案を先取りするような日米の特殊作戦共同訓練が進められている実態を告発しました。 (詳 報)
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中谷元・防衛相は事故機が米陸軍第160特殊作戦航空連隊(通称ナイト・ストーカーズ)に所属するMH60ブラックホークであることを明らかにしました。事故機には「研修」と称して陸自中央即応集団特殊作戦群に所属する隊員2人が同乗し、同機が着艦しようとしていた米海軍艦船に別の隊員8人が乗艦していたことを明らかにしました。井上氏は、「研修というが、ヘリにまで乗り込んでおり、訓練参加にほかならない」と批判。訓練参加をはじめた年、目的、内容を明らかにするよう迫りました。中谷防衛相は「訓練研修」を「2009年度より例年実施している」と述べました。(表)
4月27日に合意した日米新ガイドライン(軍事協力の指針)では、米軍・自衛隊の特殊部隊間の「協力」が初めて盛り込まれました。新ガイドラインの実行法である戦争法案は審議中ですが、それを先取りした訓練が国民の知らない間に進められていたことになります。
井上氏は、この間、MH60ブラックホークはパキスタン政府にも通告せずに同国に侵入してテロ事件容疑者のビンラディン殺害作戦に参加するなど、国際法や国家主権を無視した軍事作戦を遂行しているとして、「このような部隊との共同訓練がなぜ必要なのか」とただしました。
中谷防衛相は「わが国を取り巻く安全保障環境がいっそう厳しさを増しているからだ」と強弁。さらに、「通常部隊ではアクセス困難な地域に迅速、また隠密裏に進出する」として、国際法も無視するような作戦能力を肯定しました。
井上氏は、特殊部隊の秘密主義と違法性は米国でも大きな問題になっていることを指摘。米特殊部隊との軍事一体化を進める訓練の中止とともに、戦争法案を廃案にするよう強く求めました。
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