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2015年8月25日(火)

「侵略」「植民地支配」 首相、歴史認識の言明拒む

「安倍談話」欺まん浮きぼり 参院予算委 山下書記局長が追及

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 日本共産党の山下芳生書記局長は24日の参院予算委員会で、安倍晋三首相による「戦後70年談話」をとりあげ、安倍首相の歴史認識をただしました。首相は「『談話』に示している通り」「歴史家の議論に委ねる」と繰り返すだけで、自身の歴史認識として、日本による「植民地支配」「侵略」を認めることをかたくなに拒否。山下氏は「70年前の痛苦の反省、歴代内閣が認めてきた侵略と植民地支配を『談話』でも首相自身の言葉でもはっきり認めない。これは欺瞞(ぎまん)だといわなければならない」と厳しく批判しました。

(論戦ハイライト)
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(写真)質問する山下芳生書記局長=24日、参院予算委

 14日に発表された「談話」では、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫(わ)び」などの言葉は盛り込まれたものの、主語がなく、日本が「植民地支配と侵略」を行ったとの歴史認識は示されませんでした。「反省」と「お詫び」も歴代政権による表明を記載するのみでした。

 「安倍首相は、日本が植民地支配を行ったことを認めないのか」―。山下氏は、橋本龍太郎首相(当時)の国会答弁や小渕恵三首相(同)による「日韓共同宣言」などを取り上げ、「村山談話」後の歴代政権が、日本が朝鮮半島を植民地支配したという認識をはっきり示していることを紹介。日本が、朝鮮の植民地化を武力を背景に進め、国、言語、名前すら奪う苦痛を与えた史実にふれ、これに対する首相の認識をただしました。

 首相は「21世紀構想懇談会の報告書には、日本が台湾や韓国を植民地化したことが記載されている」「一部分だけを切り取って議論するのは、幅広い国民とメッセージを共有する観点から適切ではない。談話が全てだ」との答弁に終始。自らの言葉で「植民地支配」の経過も中身もまったく語りませんでした。

 日本が中国、アジア、太平洋地域に対して行った戦争はどうか。山下氏は、「侵略」だったと認めるのかと首相の認識をただしました。

 首相は「どのような行為が侵略かどうかは、歴史家の議論に委ねるべきだ」と強弁しました。山下氏は、小渕首相(当時)による「日中共同宣言」などを示し、「『歴史家の議論』で逃げるのは欺瞞だ。『安倍談話』は『村山談話』を投げ捨てるに等しいものだ」と批判しました。

 日本の戦争を「侵略戦争」だったと断じた「ポツダム宣言」についても、「日本はポツダム宣言を受け入れ敗戦した」と述べるだけで自らの言葉でその認識を語らない安倍首相。山下氏は「ポツダム宣言を踏まえて、日本国憲法の第9条や基本的人権が明記された。今、安倍政権がそれを覆し、日本を再び『海外で戦争する国』につくり変えようとしている」と強調。戦争法案の撤回を求めました。


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