2015年8月24日(月)
演習弾薬に3億7000万円
東富士演習場 陸自が公開
陸上自衛隊は23日、国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」を東富士演習場(静岡県御殿場市)で一般公開しました。戦争法案の廃案を求める声が高まる中、演習に3億7000万円相当の弾薬35・6トン、燃料費は1618万円が費やされました。
演習では、戦争法案にある兵站(へいたん)活動や「島しょ奪還」などの実戦訓練が展開されました。法案成立を見越しているかのように、今後新たな水陸両用車両AAV7や垂直離着陸機オスプレイを導入するとの場内放送もされました。
配布資料内の中谷元・防衛相のあいさつや場内アナウンスは、国会審議で政府側が法案正当化の際に用いる「安全保障環境の変化が厳しさを増している」からはじまり、中国や北朝鮮を「脅威」とみなす文言が強調されました。戦争法案と軍備増強のために、観客に理解を求めようとする防衛省と自衛隊側の姿勢が垣間見えました。
前日の同演習で、観客2人が10式戦車の砲弾の破片により負傷した件について、この日の演習冒頭あいさつで、中谷氏は事故の経緯を説明したうえで、「防衛省として原因究明と安全確保に努める。負傷した2名には心からおわびを申し上げる」と述べ、異例の謝罪を行いました。
23日の演習では同戦車の実弾は使用されず、空砲のみでの演習が行われました。
演習終了直後、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が会場上空を飛行しました。陸自は「島しょ奪還」などのためオスプレイ導入を予定しており、国民向けの宣伝を目的に米軍に要請したものです。
演習には隊員2300人が参加。戦車・装甲車は約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他車両が約600両が用いられました。