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2015年8月22日(土)

劣悪労働条件・課税逃れ疑惑

20カ国の労組・政治家 マクドナルドを告発

ブラジル公聴会

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 【ワシントン=島田峰隆】ブラジル上院の人権委員会は20日、米ファストフード大手マクドナルド社の劣悪な労働条件や欧州での課税逃れ疑惑に関する公聴会を開きました。上院によると、ブラジル、米国、ドイツなど20カ国から労働組合の代表や労働者、政治家が参加し、実態を告発しました。

 公聴会は、ブラジルの与党、労働党の議員が組織しました。

 同国の労組はこのほど、マクドナルドが低賃金や長時間労働など劣悪な労働条件で生産コストを下げて不当に競争力をつけているとして同社を提訴。同社の労働条件が世界的に問題になっていることから「マクドナルドの行為に反対する地球規模の運動を担う人々」(上院の発表文)が集まりました。

 米中西部シカゴの店舗で働くアドリアナ・アルバレスさんは、5年勤続にもかかわらず時給は10・50ドル(約1290円)だと告発。「ここに集まったマクドナルドの労働者を見ると、私は自分一人のためでなく、無数の労働者のために話していることが分かった」と述べました。

 このほか未払い残業代の支払いを労組とともに要求した途端に解雇された男性などが発言しました。

 欧米の労組は今年2月、マクドナルド社が欧州諸国での利益をルクセンブルクの子会社に移し、課税を逃れていたと指摘。この疑惑について欧州委員会は調査を始めています。

 欧州議会のシュタインリュック議員(ドイツ)は「マクドナルドは欧州経済で積極的な役割を果たす力を持っている。ところが欧州中で税金を逃れて利益を上げる仕組みをつくっている」と批判しました。

 上院の発表によると、マクドナルド社の代表は、公聴会に招待されたにもかかわらず、出席しませんでした。中南米地域でマクドナルドの店舗を展開するアルコス・ドラドス社は19日、ブラジルの労働法を順守しているとする声明を出しました。


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