2015年8月21日(金)
安倍首相がかばい続ける暴言の礒崎首相補佐官
憲法否定の旗振り役
政治資金は税金とパーティー収入
戦争法案について「法的安定性は関係ない」などと立憲主義を否定する暴言をはいた礒崎陽輔首相補佐官(参院議員)。首相補佐官はもとより、国会議員を続ける資格すら疑われるのに安倍首相が、「職務を遂行してもらいたい」とかばい続ける礒崎氏とは、どういう人物なのか―。 (藤沢忠明)
本人のホームページなどによると、東大法学部卒業後、旧自治省に入省。和歌山市財政部長、静岡県市町村課長、自治大学校研究部長・教授、堺市財政局長、総務省国際室長などを歴任した官僚です。
官僚時代の2002年2月から2年間、安全保障・有事法制担当の内閣官房内閣参事官を務め、安倍首相と“思想的波長”があったのか、06年7月、総務省大臣官房参事官を最後に退職、第1次安倍政権下の07年7月の参院選大分選挙区に自民党公認で立候補、初当選しました。
首相が5年ぶりの再登板を果たした12年9月の総裁選では、中心メンバーの一人として支援し、同年12月には、首相補佐官に抜てきされ、首相の安全保障政策などを強力に推進。13年7月の参院選で再選をはたしました。
いわば、安倍首相のお気に入りの一人、側近中の側近。「新憲法制定」や戦争犯罪を裁いた東京裁判否定などを掲げた改憲右翼団体「日本会議」国会議員懇談会の政策審議会副会長、自民党憲法改正推進本部事務局長も務めるなど、憲法否定の旗振り役です。
これまでも、改憲について、「国民に1回味わってもらう。『怖いものでない』となったら、2回目以降は難しいことをやっていこう」(2月、盛岡市)とのべるなど、問題発言を連発していますが、そのつど、安倍首相は擁護。首相の任命責任が問われています。
政治資金はどうか―。
礒崎氏が支部長を務める自民党大分県参議院選挙区第1支部は、13年に1900万円の政党助成金を党本部から受け取っていますが、参院選公示直前の6月20日、自分に1000万円を寄付しています。しかも、同支部の13年の政党交付金使途等報告書によると、306万8598円を使い残し、「基金」にためこんでいます。
同支部の党費収入は、137人からの14万1700円のみ。自民党が各国会議員に義務付けている1000人の党員獲得には遠くおよばない状態です。
礒崎氏の資金管理団体「いそざき陽輔新風会」は、安倍首相の出身派閥、細田派の政治団体「清和政策研究会」から50万円の寄付を受け取っているほか、「励ます会」「国政報告会」などのパーティー券収入約1169万円などがあります。このうち、1025万円を第1支部に寄付しており、礒崎氏の政治資金は税金とパーティー券収入で大半をまかなっていることになります。