2015年8月21日(金)
非正規から派遣へ置き換え
辰巳氏 厚労相答弁を批判
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日本共産党の辰巳孝太郎議員は20日の参院厚生労働委員会で、労働者派遣法改悪案について、直接雇用のパート・契約社員を、より不安定な間接雇用である派遣への置き換えを容認するものだと明らかにし、「直接雇用の原則に反する改悪案は廃案にすべきだ」と強調しました。
辰巳氏は、派遣法の原則である「常用代替の防止」について「臨時的・一時的ではない恒常的業務は、直接雇用で担うべきだという意味がある」と指摘し、有期契約労働者を派遣労働者に置き換えても許されるのかとただしました。
塩崎恭久厚労相は、「パートが担っていた恒常的業務を派遣が担う場合、常用代替が生じていると評価されない」と答弁。辰巳氏は「大問題だ。直接雇用の原則に反する」と批判しました。
塩崎氏は「直接雇用が原則だと考えている」と認めましたが、「派遣とパートなどとを代替していいとか悪いとかの話ではない」とまともに説明ができず、審議がたびたび中断しました。
さらに辰巳氏は「期間制限をなくせば、恒常的業務に派遣労働者をあてることが可能になる。将来の常用雇用の機会が減る」と指摘。塩崎氏は、常用代替防止の原則について「雇用機会が不当に狭められることを防ぐことも意味する」と認めながら、「過半数労働組合の『意見聴取』で判断する」と述べ、恒常的業務への置き換えを否定しませんでした。
辰巳氏は「恒常的業務が派遣になり、派遣がいなくなり仕事が回らなくなれば、労働組合も常用代替を拒めなくなる」と批判しました。