2015年8月20日(木)
「地球温暖化とたたかおう」
イスラム教徒16億人に呼びかけ
20カ国宗教指導者 宣言
20カ国のイスラム教指導者が18日、「イスラム気候宣言」を採択し、世界のイスラム教徒16億人に対し、地球温暖化とたたかうよう呼びかけました。ロイター通信などが伝えました。
年末にパリで開く国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)へ向け宗教界も動き出しています。6月にはフランシスコ・ローマ法王が世界のカトリック信者12億人に向けた公文書「回勅」を発表し温暖化に警鐘を鳴らしています。仏教やヒンズー教の団体も今後、温暖化対策の呼びかけを発す見込みです。
今回の「宣言」は、トルコのイスタンブールで17日から催したイスラム教の気候変動に関する国際シンポジウムで合意しました。20カ国からの参加者にはウガンダとレバノンの最高位の宗教指導者も含まれます。
各界が「宣言」を歓迎しています。ローマ法王の「回勅」の主要な原案者の一人、タークソン枢機卿は、「私たちの共通の家を守る」ためにイスラム教徒との緊密な協力を表明。インドネシアで3000万人を擁するイスラム教団体の代表シャムスディン氏は、「次世代のためよりよき世界のため協力を」と語り、国連気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長は「イスラムの教えは気候変動で正しい行動をとる導きを与える」と話しています。
「宣言」は「清らかな空気や豊かな海など神が人に授けた贈り物を、化石燃料から排出された汚染が破壊する恐れがある」と指摘し、COP21が「公正で拘束力ある結論」を出すことを求めています。また、化石燃料から急いで脱却し、再生エネルギー100%への移行を訴えています。
「宣言」はとりわけ、先進国と産油国に対し、遅くとも21世紀半ばまでに温室効果ガスを大幅に削減するよう求めました。
今回のシンポジウムには、国連環境計画(UNEP)、国連気候変動枠組み条約事務局、国連事務総長気候変動チームも参加し発言しました。