2015年8月18日(火)
海兵隊「抑止力」論に疑問
翁長知事 防衛相との会談で
名護市長も反論
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中谷元・防衛相は16日、沖縄県を訪問し、翁長雄志知事、名護市の稲嶺進市長と相次いで会談しました。在沖縄米海兵隊の駐留の口実として繰り返されている「抑止力」論や辺野古新基地(名護市)の必要性をめぐり、激しい議論となりました。
中谷氏は、海兵隊の抑止力について、(1)海兵隊の機動力、展開力は島しょ部の多い南西地域において重要(2)米海兵隊の陸上・航空・後方支援部隊が沖縄に一体的に存在することで即応性が保てる―という従来の説明に終始しました。
これに対して翁長氏は「佐世保や岩国にも海兵隊の兵力が分散されているのに、『一体性』という説明はおかしい」と反論。さらに、「沖縄を領土的なもの、無機質的なもの、そこに島があるからそこで対応しようという発想が見えてくる」と批判しました。
稲嶺市長との会談で中谷氏は、19年前のSACO(日米特別合同委員会)合意にもとづき国と県や市との間で協議が進められてきたと説明しました。
稲嶺氏は、SACO合意にもとづく1999年の閣議決定が、現行案の合意がなされた2006年に廃止されており、「19年前にさかのぼるという話は事情が違う」と反論。さらに、辺野古新基地は、米軍の強襲揚陸艦が接岸できる軍港がつくられ、弾薬搭載エリアもできるなど、普天間基地(宜野湾市)になかった新たな機能が加わり、強化されているとただしました。
会談後の会見で稲嶺氏は、「辺野古しかないということを言う説明だった」と評しました。
政府と沖縄県は18日、辺野古新基地に関する第2回集中協議を都内で開きます。