2015年8月18日(火)
自衛隊統幕監部の内部文書 防衛省が存在認める
中谷防衛相の指示うけ作成
主要幹部のビデオ会議で使用
防衛省は17日、戦争法案の成立を前提に、自衛隊の詳細な部隊運用計画を記載していた自衛隊の統合幕僚監部作成の内部文書が存在することを正式に認めました。参院安保法制特別委の委員である日本共産党・井上哲士議員に説明したもの。中谷元・防衛相が国会の法案審議も始まっていない5月15日に指示を出し、統幕がこれを受けて作成していたことも合わせて明らかにしました。国会審議や国民世論を無視し、戦争法案成立ありきで暴走する安倍政権の責任は、いよいよ重大です。
(防衛省統合幕僚監部の内部文書PDF)文書は日本共産党の小池晃議員が入手し、11日の参院安保法制特別委員会で暴露しました。委員会は文書をめぐって紛糾し、与党も合意して散会。文書の確認や責任問題が焦点となっていました。
文書は「8月成立・来年2月施行」を前提に、南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊が、他国部隊の戦闘に参加する「駆けつけ警護」を来年3月から行うなど、詳細な日程表が記されています。
防衛省の黒江哲郎防衛政策局長が同日、井上議員に文書全文を提出し、事実経過を説明。それによると、法案の閣議決定翌日である5月15日、中谷氏が法案の自衛隊内部への徹底とともに、今後必要になる事柄について分析・研究するよう指示。これを受けて統幕が文書を作成しました。ただ、黒江氏は「大臣は指示を出したが、文書を見ていない」と弁明しました。
文書は、戦争法案が衆院で審議入りした5月26日、自衛隊の主要幹部がそろったビデオ会議で活用されました。陸自の各方面隊、中央即応集団、海自の自衛艦隊、地方隊、空自の航空総隊、各方面隊、南西航空混成団などの主要な部隊の各指揮官が参加したといいます。文書は、全自衛隊規模の意思統一用だったことが判明しました。
さらに追及する
小池晃議員の話 防衛省は法案の内容を説明するための資料だといいますが、国会には一切、説明されていない中身が多数含まれており、そのような言い逃れは成り立ちません。国会でさらに追及していきます。
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